夜は下北から地下鉄千代田線で乗り換えナシで北千住へ。

ここで念願の金山寿甲(スガツ)主宰の東葛スポーツを初鑑賞。

みなさまもご存じの通り、第66回の岸田國士戯曲賞を受賞(加藤拓也とのW受賞)したのが金山執筆「パチンコ(上)」。

 

縁あって、有志で岸田賞予想などをしていた関係もあり、今年の受賞作の「パチンコ(上)」、さらに2020年に候補作になった「A-②活動の継続・再開のための公演」を読ませてもらって、近年の中でも最高潮に心躍り、次のページをめくるのがワクワクした戯曲だったのだが、宣伝をしなくても好きな人たちが集まってくる秘密のイベントのような上演形態だったため(それが東葛スポーツの大きな魅力の一つでもある。今回の舞台の中でも言っていたが、”多くの人が良いというものを自分が好きとは限らない”という姿勢に裏付けられたこれを絶対に観たい!という観客側からの熱量を劇場で肌で感じた)観る機会を逃し続けてきたという経緯があり、今回の上演の告知を目にした時に絶対ポチろう!と意気込んだのだが、、いつもの通り情報の入手が遅く、完売状態になっていたのだ。

しかしながら諦めきれず、、、と思っていたところ幕が開いてからの劇団のXでのつぶやきに「本日も当日券希望の方々には立ち見ですが、全員にご覧いただけました」とあり、これは向かわなければ後悔する!と思い、千秋楽の当日券を求め列に並んだ。

(前日のブログで書いたように、以前は前売りチケットを求め早朝から、または前の晩から列に並ぶこともザラにあったので問題な〜〜し)

ラッキーなことに無事に当日券をゲットして初「東葛」観劇が叶った。

 

 

岸田の予想記事はこちらから ↓

 

https://www.engekisaikyoron.net/kishida67-02/

 

 

最新作「相続税¥102006200」はパチンコ屋を経営していた金山の父親が亡くなったことで発生した相続税の額が102,006,200円というところから始まり、いつもながらのするどいこの国の現状へのツッコミ、風刺、その中での自分や家族の社会への向き合い方などがブリリアントなラップ(言葉)で綴られていく。舞台上には50,000,000円の札束が警備員さん付きで鎮座していた。

 

相続税の納税期限が10ヶ月と定められているのは、払うのが難しい場合はその間に家や土地、所有している不動産などを売却することで、しっかりとその(高)額が払えるように考えられているため、との注釈台詞があったが、なるほど、だから最近の我が町からは古くからの家が消えて、狭小建売住宅なんかがやたら増えているのね〜、と納得!

 

千葉の二子玉と呼ばれている(らしい)流山おおたかの森は本当にあなたが住みたい街ですか?(そこにはパチンコ屋は一軒もないという)、とか大御所黒柳さんが痛恨の名前ミスをおかしたり、、演劇界の大御所野田秀樹*に扮した人(野田のかぶりものをかぶって登場。。こんなものあるんですね〜)がひゃ〜らりと登場したり、実感としての確率の問題とか、、次から次へと前のめりになるラップによる呼びかけ、問いかけが。

内容が作者に直結したリアルであるために、観客一人一人の胸にど直球で届くのだと思った。

 

*奇しくも、一日で2回も舞台に「野田秀樹」が登場、これが昼間のコンプソンズとの共通点。

 

千葉や葛飾のドメスティックな内容をファッショナブルな役者さんたちに心のうちをぶちかましてもらい、あ〜スッキリ、楽しかった!!

 

本日はマチネもソワレも大満足の舞台でした。しあわせ〜〜(って、これが演劇中毒者のHappy Day)。