夜は下北沢へ移動して西條義将が主宰するモダンスイマーズの中の演劇ユニット、北海道出身の演劇人たちで構成されている「道産子男闘呼倶楽部」の新作「きのう下田のハーバーライトで」を観た。

作・演出はモダンスイマーズの蓬莱竜太。

 

道産子男闘呼倶楽部と札幌座の共同作品で、2022年に浅草九劇で上演された鄭義信作・演出の「五月、忘れ去られた庭の片隅に花が咲く」がなかなか味があって面白かったのでチラシで今作を見つけてチケットをゲット。

今回は前回劇場よりもさらに小さい下北沢OFF OFFシアターでの公演ということもあり、全公演完売のため、急遽最終日に追加公演を決めたとのことだった。

 

****** 演劇サイト より *******

仕事で下田のモーテルに宿泊している二人の男。
二人は人生を折り返し、50才を前にしている。かつて実演販売での妙技でテレビによく出演していた男と、その付き人兼マネージャーの男であった。
付き合いは大学時代から及ぶ。
今ではテレビに出ていたその男を覚えている人はいない。今は全国のスーパーやデパートを周り、何とか生活している。
付き人は何故自分の人生がこうなってしまったのかを夜な夜な考える。宿泊はいつも相部屋。酒を飲んでいる相手の顔を見ながら、いびきをかいてる彼の顔を見ながら、大学で彼と出会った時からを振り返り、人生の分岐点、修正すべき点を考えてしまう。
もう30年の付き合いだ。家族より長い。人生の大半は彼との記憶に埋め尽くされている。今から縁を切れるのか。裏切ることになるのか。相手はショックを受けるだろう。だけどこのままだと自分の人生は失敗だとはっきりと言える。そしてきっと、もう遅い。
だから今日も過去に思いを馳せ、自分の人生、二人の人生を振り返ってしまう。
何でもない小さな夜も、越えるためには少し力が必要なのだ。
引き返せない、やり直せない人生をどう抗うのか、どう受け入れていくのか。
朝を笑顔で迎えるために毎夜繰り返される二人の小さな物語。

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道産子男闘呼倶楽部の犬飼淳治(扉座)と津村知与支(モダンスイマーズ)の二人芝居で、ほとんどのシーンは小道具などはあまり持ち出さず二人の身振り、そして会話(言葉)でスピーディーに展開していく。

 

津村演じる俗人の原と犬飼演ずる才能に溢れていながら実生活では世間離れしている伊坂、大半の時間付き合ってきた男二人の人生物語。

 

このような男同士の話を書かせると、やはり蓬莱竜太のうまさが光る。

それもこのぐらいのスケールの小さいところでのうちうちの話が秀逸だ。

男同士の離れない結束力、一方での変なプライドと気の使い方、、たとえ自分とは違った考えを持つ相手であったとしても、男同士だとこのようになんやかんや付き合い続けたりするのだろう。。。実際、そんな関係を色々なところで見てきた。

 

ちょっとカリカチュア(戯画化)された大げさな演技も、小劇場での二人芝居には必要だろう。

 

伊坂君の生い立ちからくる内面の複雑さが彼の明るい表面上の印象と対比をなして、とても興味深かった。

 

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