新宿紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAで文学座の新作、劇団「渡辺源四郎商店」主宰の畑澤聖悟作、文学座の西川信廣演出による「逃げろ芥川」を観た。

このところダンス関連の鑑賞が多かったのだが、この日は昼夜と芝居の観劇となった。

 

******* 演劇サイト より**********

1919(大正8)年5月4日。親友同士の芥川龍之介と菊池寛は列車で長崎旅行に出かける。東京は世知辛く、しがらみばかり。
世界的に大流行した「スペイン風邪(流行感冒)」の日本における「第1波」は終息したかに見えたが、東京の感染状況はまだまだ予断を許さない。
「よし、長崎に逃げよう。ついでに保養や取材も兼ねよう。」

こう決意した芥川に、菊池が同行したのである。列車は西へと進む。普通の特急のはずであったが、ある女たちが乗り込んでくる。彼女らは芥川の作品の登場人物や、芥川を取り巻く女たち(初恋の女性、妻、愛人)に姿を変え、芥川を責め立て、時空を越えた騒動が車内で巻き起こる。
果たして芥川は逃げ切れるのだろうか。

 

*************************************

 

偉人(芥川と菊池)を題材にしたファンタジーで、芥川の著名な小説のエピソードを織り混ぜながら性格の異なる男二人の友情を描いている。

 

文学座の(全体的に高齢層が多い)客層には大いに興味深い題材なのではないだろうか。

 

とは言え、歌舞伎同様に、やはりコロナ以降は観劇の習慣が途絶えてしまったというリタイア組の演劇ファンも多いのだろう。文学座アトリエ公演のように劇場が満杯とまではなっていなかったのが少し寂しい。

 

芥川と菊池の笑いが起こるやりとり、そしてその間に芥川の作品にまつわるエピソード、後半は晩年の芥川の病気との戦い、そして諸事情による大変な日々、が描かれていくのだが、あと一つ二つ、違った側面からのエピソード、展開が入ると全体のスピード感が増してよかったかも。

 


ユアマイスター