夜は池袋、東京芸術劇場へ移動して勅使川原三郎の新作、下記の説明にあるようにいつものダンスパートナー佐東利穂子に二人の男性ダンサー(アレクサンドル・リアブコとハビエル・アラ・サウコ)が加わった四人編成で天才詩人アルチュール・ランボーの怒涛の生涯を力強く表現した「ランボー詩集 「地獄の季節」から「イリュミナシオン」へ」を観た。

 

***** 演劇サイト より ********

反逆と理性を生きる――言葉からイメージ、そして動きへ

「永遠に足を踏む
合わせ鏡のように遠く
言葉を焼き尽くした太陽
歴史の夕暮れに燃える海
魂だけが残る
一瞬が永遠 勅使川原三郎」

有り余る才能に恵まれながら、20歳で詩を捨て、放浪の旅に身を投じた天才詩人アルチュール・ランボー。彼が詩と文学への訣別として放った詩の言霊に、勅使川原が全身全霊をかけて迫る。
出演は、勅使川原自身と佐東利穂子に加え、近年勅使川原とのコラボレーションを重ね評価を得ているハンブルク・バレエ団のアレクサンドル・リアブコと、スペイン出身のハビエル・アラ・サウコ、昨年のヴェネツィアビエンナーレ・カレッジ・ダンツァで出会った、将来が期待されるダンサーだ。5月末、4人はイタリア・フェニーチェ歌劇場で勅使川原が振付を手がけるオラトリオ「時と悟りの勝利」(ヘンデル作曲)にも出演。今年春より創作の時間を共有し、理解を深め続けている彼らが放つ注目の最新作。

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熱い反逆思想を自由に詩にしたため、放浪を続けたたランボー。そんな心の叫びである詩を捨て去り、晩年病に伏せる日々が続いた彼は37歳という若さで全身に移転した癌により最期をむかえた。

 

そんな煮えたぎる熱き彼の内面=言葉を佐東とアレクサンドル、ハビエルが超高速の回転とステップで疾風のごとく表現する。三人=三倍になることで、その勢いは目を見張るばかり。

 

病に蝕まれ、身体が軋む晩年のランボーを勅使川原が担い、舞台上に置かれた巨大な詩集(本)のページをめくり、若き日の言葉をたぐりながら自らが目指した新しい未来へ想いを巡らせる。

 

今後、この二人との共演が続いていくのだろうか。楽しみだ。