夜は座・高円寺に移動して堀川炎率いる世田谷シルクの新作「夜景には写らない」を観劇。
図らずも、外国人労働者、移民の話を同じ日に続けてみることになるとは。。
それほど、海外からの労働者、居住者が多くの人たちにとって身近なこととなりつつあるのかな、と感じた。
自分の周りを見渡してみても、明かに住んでいる町には外国人の居住者が増えている(我が家の地区は東南アジア系のファミリー単位の人たちとアジアの学生たちが多い様子)のは一目瞭然だ。
かく言う私自身、ヨーロッパ系の外国人の旦那と住んでいるのだが、先日近所のスーパーで同じようなミックス(日本人と外国人)のカップルを同時間に3組見つけて、、これがスタンダードになってくるのかも。。と思った。
****** 演劇サイト より ******
「工場」は、私が外国人との違いを肌身で感じたことをきっかけに、国内の息苦しさや国民の生真面目さを戯曲にしたものです。
私たちが普通と思っている正体は、実は息苦しいことかもしれない。
そんな、社会で起きる当たり前を見つめ直しながら、くすっと笑えるように努めた作品です。19年の再演になります。
「夜景には写らない」は、「工場」から数年後にあたる新作です。
「工場」が私たち自身を見つめるとすると、続編は自身と他者を考える作品になります。
主人公たち外国人労働者がやってきた数年後、彼らの取り巻く環境はどう変わったでしょうか。
一作品でも、また、どちらからご覧いただいてもお楽しみいただけます。
舞台は、日本に似た、とある国の工場です。ユーモアあふれる登場人物たちにご期待ください。
(堀川 炎)
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ここにあるように「工場」という2019年にアゴラ劇場で上演した作品の続編(「工場」はアゴラで観劇した)で、確かに当時の舞台写真を見ると、今回の工場のオフィスと同じような配置で同じようにタブレットを使って人々が仕事をしていたのを思い出した。
写真提供:世田谷シルク
東京には様々な国の人たちが共存している
前回と違うところは座・高円寺の天井まで高さのある舞台の構造を利用して、オフィスだけでなく工場外の風景、屋外の喫煙所(本当は禁煙なのだが)、さらには工員たちが住んでいる社員寮の借り入れアパートの様子など、縦3階建てのセットでさらに違った場面を見せているという点だ。
そして、内容面でも前回の未来の労働環境を予測した「工場」よりも一歩進んで深みを増していて、多文化の労働環境となった日本の工場で起こり得る衝突、問題、さらにはそのような事が起きる原因となっている理由を双方(日本の受け入れ側と海外からの労働者たちの側)の側から考察していて、それぞれに改善が必要だと思われる風土、思い込みなどをあぶり出していてとても興味深い。特に日本の企業が無自覚に慣習としておこなっている決まり事、ルールなどが外国人の目にはどのように映るのかが、おそらく海外旅行の経験が多いという作者(当日パンフレットにインドでの滞在の思い出が語られていた)の眼を通してダイレクトに語られているのが好感が持てた。
写真提供:世田谷シルク
多国籍の職場では文化の違いから時に衝突も
多文化にふさわしい、カラフルなキャスト陣も魅力的で大いに考えさせられ、大いに楽しめた。