東京芸術劇場シアターイーストで岩井秀人のハイバイによる「再生」最新版を観た。

 

こういった何物にも代え難いライブ体験ができるので演劇鑑賞はやめられない!

 

前回の2015年の快快メンバーとのコラボ公演「再生」を観た喜安浩平氏(脚本家・演出家・俳優)が以下ような感想を述べているのだが、

「。。。なにか書くのは野暮ってもんだ。説明などするものか。観た人だけの歓びがある。
いい気分。」

 

まさに、その通り。

今回も、あの場にいた人が客席で一体となって感じた「人が生きていく」ことのリアル、生命体としての人間、そして「再生」— 続けていくことの意味、がパフォーマンスからビンビン伝わってきた。

 

*********** 演劇サイト より *********

 

全年齢・全生命体対象の「命のお祭り」再び!
演劇史に残る怪作、多田淳之介の『再⽣』。2015年、KAATで上演された”快快×岩井秀⼈版”では開幕とともに、その衝撃波に瞬く間に口コミで評判が広がり、チケット入手困難となった本作を、2023年、東京芸術劇場シアターイーストにて”ハイバイ版”として再爆破が決定!
岩井秀人の下、俳優、ダンサー、モデルなどさまざまな分野から、唯一無二の肉体とパフォーマンスをもつキャストが集められ、全年齢・全生命体対象の「命のお祭り」を立ち上げる!

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2023年バージョンとして作られた今作は若者たちの肉体=生きている証が各自の得意なダンスによって、多様性が活かされたスタイルで提示されていて、まさに前述の説明にあるようなカーニバル状態となっている。

 

もちろん音楽も一新され、メイク・衣装を含めたヴィジュアルもビタミンカラーやフリンジにラメ、と若者たちが集まった際の高揚感が前面に出され、大音量の音楽とレーザー光線が交錯する中で憑かれたように踊り続ける俳優たちの姿に、いつしか観客の身体も前のめりに。

 

ちょうど、観劇した日にはそんな踊りたい!観客の声に応えての「燃えよ!スタンディングエリア」が客席後方に設置されていて、後半にはそのエリアから舞台に声もかかっていた。

 

お祭りとしての演劇・ダンス。。そんなクロスジャンルを見据えた新しい試みを積極的に取り入れてみたり、のハイバイ。出演者たちが自らの話を語る「ワレワレのモロモロ」シリーズや岩井がプロデュースする人気公演シリーズ「いきなり本読み」(初見の台本読み合わせライブ)もそうなのだが、このような従来の演劇舞台のやり方を超えた企画を意気揚々とやってしまうところに岩井秀人の大いなる存在感を見る。

 

追記:今朝、テレビでYOASOBIの埼玉アリーナライブの映像を観たのだが、衣装の色使いと言い、レーザー光線の多用と言い、パフォーマーの全力疾走と言い、「再生」のステージを思い出した。