今年のクリスマスはカップルを横目に観劇三昧をする!1日となった。

 

まずは横浜で、2017年発足、「演劇でアジアを繋ぐ」をモットーに多様なアジアのアーティストたちとのコラボレーションを続ける亜細亜の骨の影絵芝居「鯨生~Geio~」を観た。

 

**** 演劇サイトより あらすじ*******

 

台湾の花蓮の街の海辺で一人のお婆さんが歌を歌っています。

お婆さんの名前は「鯨生」といい、与那国島のお父さんと台湾のお母さんの間に生まれて、ずっと花蓮の街で暮らしてきました。
お婆さんは静かに自分が子どもだった頃の記憶を語りはじめます。
「あたしがお腹のなかにいる時に、母さんは夢を見たの。
それは海底遺跡の竜宮の夢だった」
与那国島、台湾、海底遺跡、竜宮城、くじらの使者、海の神様、
果たされなかった約束と悲しい別れ…。

美しい影絵と生演奏の音楽で彩る、おとぎ話のような鯨生の物語。今を生きる私たちにとって大切なことが込められた珠玉の作品。

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台湾のリン・モンホワン(林孟寰)脚本、演出の作品で与那国町・台湾花蓮市姉妹都市締結40周年タイアップ事業である今作。沖縄、八重山列島の一つで日本最西端に位置し、劇中でも指摘されていたように年に数回、晴れた日には台湾の山々が見えるというほど台湾に隣接した島である与那国島は独自の文化、言葉が受け継がれ、残っている。

その素晴らしい自然が残る景色は撮影で使われた人気ドラマ「Dr.コトー診療所」の中で確認することができる。

 

前述のあらすじにあるように、海の竜宮城のお姫様「鯨生」が人間界に現れ、与那国島出身の父と台湾出身の母の子として育てられる間に起きた様々なことを美しくファンタジックな影絵で綴っていく。

人形を使った影絵に関しては台湾のアーティストの指導を受けて舞台にいる2人の役者が人形を操りながら演じたとのことだったが、添付のチラシイメージから見てとれるように、淡い色が美しく、またズームを駆使した演出が見事だった。

 

そのヴィジュアルの美しさ、おとぎ話の清らかさに加え、今回の公演の大きな魅力となっているのが演じられる言語。

 

通常の日本語上演の他に与那国語上演(日本語字幕付き)という回があり、ラッキーにもその与那国語による舞台を観ることができた。

方言とは言え、外国語ほどに違うその言葉を生の舞台で聞くことができたのは貴重な体験だった。所々に混ざる予測可能な言葉(日本語に似ている)は少数で、字幕なしではわからない。

 

舞台上には伝統衣装に身を包んだ島出身のミュージシャン(笛と太鼓)もいて、与那国島の独自の文化を横浜で堪能することができた。

日本の中にも様々なアジアがあることを実感した。