新宿梁山泊の「奇妙な果実」を恵比寿にできた新しい劇場シアター・アルファ東京(初めて訪れましたが、駅からも近くて便利)で観劇。

 

チラシにマルコムXの顔を見つけ、観たいけど、、、時間あるかな〜〜と思っていたところ、やっぱりどうしても観たくて直前にチケットを買って駆けつけた。

 

地下の横に広い小劇場を入っていくとディランのBlowin' in The Windが流れており、その次にはWhere have all the flowers gone?(花はどこへ行った)といったプロテストソングが、、うん、これだけでもやっぱり来てよかったな、と思い開幕を待つ。

 

タイトルの「奇妙な果実」はその訳の通り、ビリー・ホリデーの反人種差別を歌った歌(Strange Fruit)で、果実とはリンチの後木に吊るされた黒人の死体を指すと言う。

 

言うまでもなくアメリカの黒人解放運動の指導者であるマルコムX、彼の残した言葉を引用し、在日韓国人二世で殺人・籠城事件で逮捕された(劇中では籠城の末に自害ということになっているが)金嬉老(詳細はこちら↓)の殺人事件に至るまでの日々を描いている。

 

 

殺人事件の現場となったクラブを劇の場に設定していて、多国籍の従業員らとのやりとり、そして金(崔哲浩)を慕うクラブの歌手ビリー珠希(今川宇宙)と彼のやりとりが展開される。

 

マルコムXのスピーチに心酔しているビリーという設定で、頻繁に彼が残した言葉や当時(60年代アメリカ)の黒人解放運動の記録映像、日本での在日に対する差別の映像などが流れる。—この白黒映像が、史実だけにかなりのインパクトを発している。

 

そんな、人種差別に関するメッセージが強く出ている内容なのだが、アフタートークで演出家の金守珍も言っていたが、それを円滑に舞台として成立させるのが、クラブで演奏するバンドということでライブで演奏される音楽。

 

金管楽器メンバーが前面にズラッと並んで演奏、ビリーと関西出身のミュージシャン趙博(ちょう・ぱぎ)が歌い上げる歌が恵比寿に集まった観客たちを温かく迎えていた。

 

 

↑カーテンコール(撮影OK)の様子

 

癖のある役者陣は観ていて面白いし、やっぱりこのくらい熱いソウルの芝居は観ていいて気持ちが良い。