劇団鹿殺し活動20周年記念公演、3年ぶりの新作「ランボルギーニに乗って」を東池袋のあうるすぽっとで観た。

 

**** 演劇サイトより あらすじのようなもの ****

友人のマイケル(河内大和)が死んだ。
ある朝、水死体として発見されたのだ。
テルオ(松島庄汰)は「明後日」と呼ばれる世界へ逃げ込み、ランボルギーニに乗って爆走する。
これはテルオが自分を守るために考え出した妄想だ。
しかし、同級生のトワ(菜月チョビ)だけは「明後日」の秘密を知っていた。
トワはテルオに「ラストデイ(地球最後の日)」と書かれたノートを手渡す。
2人の分身、テディ(丸尾丸一郎)とトリーは世界を守るために奔走する!
一方、テルオとトワはマイケル殺害事件の謎を追う!
これは不完全な人間たちの不完全な物語だ。
走れ、ランボルギーニ!まだ見ぬ荒野に向かって!

20周年目の新たなる一歩!
劇団鹿殺し、3年ぶりの新作公演、乞うご期待!

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記念公演にふさわしく、てんこ盛り— 主人公のいじめられっ子の少年テルオ(松島庄汰)が現実から逃避する空想の世界と実際に高校生としての現実世界、さらには彼が成人してからのその後の世界の3つの空間を行き来する構造で、そこにさらに彼の内心に住むジョーカーらしき存在などが絡み、時空を高速で超えて入り乱れる内容の上に、夢の世界でのアクションあり、カーレースあり、バスケの試合風景もあり、、それを歌と管楽器演奏、そしてダンスで盛り上げる、、、という、とんでもなくウトウトなんてしていられないジェットコースター的エンタメ舞台。

 

空想世界でランボルギーニをぶっ飛ばすツーブロックの天パーロン毛(とでも言えば良いのか?)のドライバーテディ(丸尾丸一郎)とその隣にいる峰不二子的なトリー(今村花)の漫画・アニメ的な世界滅亡の世界とテルオの学校生活の日常世界、そして前半は完全に謎の男のマイケルさん(河内大和)、そして闇を背負っている孤独な少女トワ(菜月チョビ)のお話パート、とさまざまなものがごった煮されているのだが、不思議と混乱はせず、流れに乗ればすんなりと入ってくる。

 

社会的なテーマを含ませた芝居とか、泣けるエピソードが次々とこれでもか、と出てくる舞台とか、、も良いのかもしれないが、こんなに潔く、てんこ盛りを詰めて楽しませてくれると、、、これも観劇の大きな楽しみの一つだな、と嬉しくなった。

 

もともと、意外なところに河内さんの顔を見つけて、「あら?観てみようかな」と思ってチケットを入手した舞台だが、これが大いに元気をくれた!

 

主役の松島さんも良い味出してました。