古城十忍率いるワンツーワークスの「恐怖が始まる」を中野テアトルBONBONで観た。

 

2015年に初演した作品の再演で、チラシの絵にあるように事故後の福島の原発ーフクイチで建屋の廃炉作業に従事している人たちの話。

 

国の曖昧な被曝限度基準を唯一の頼りに、作業を続ける作業員たちだが、一人、二人と体調を崩し、、そして亡くなっていく。

彼らの周りの人たちはうすうすそれを予見出来ていたのだが、「お国のため」「故郷のため」と使命を感じ仕事をしている彼らはその真実を認めようとはしない。

彼らの会社への忠誠心を逆手にとって、会社の上層部側はますます労働条件を悪くしていく。。その忠誠心とは何の為??命を差し出してまで働く人は称賛されるべきなのか、、または「バカな人」と一言で片付けられてしまってよいものなのだろうか。。。

 

先日の「彼女を笑う人がいても」でも問題視されていたが、オリンピックの前に世界へ向けて「福島の状況は制御下にある」と言った政治家の嘘を看過出来ないと感じる人が多くいるということだろう。

 

劇中で色々なフクイチでの被曝労働に関するエピソードが紹介されているのだが、本当に目をひんむいてしまうような話が出るわ出るわ。。これを福島の人たちだけに課するのは、あってはならないと思う。

 

父親がフクイチ労働者である2家族、そして彼らの周りの人々、原発で働く人たちの現場の様子などが少しずつ重なる形で展開していく演出が面白い。

 

配信でも観られるので、劇団HPからぜひ見逃し配信を!