坂井のぶこの詩 2013年 8 | 浜川崎から

浜川崎から

浜川崎から日常の小さな景色を書いてゆきます

二月一日 えんぴつ

翼を広げて空を飛んでゆきたい

私たちの世界はじりじりと闇につつまれ

偽物がはびこる

唄も色彩も心の浮かんでこない

しかし 今日の夕焼けは美しい

夕焼けのなかに浮かぶ鉄塔の紅いランプ

それは二つの瞳に見える

 

二月二日 えんぴつ

浜町と桜本を抜ける

赤い鳥居と白い鳥居を持つ神社

八海山は白い鳥居

弁天様は赤い鳥居

お向かいには観音様がいらっしゃる

石観音 潮音寺

昔々は海が迫って潮の響きが聞こえていた

今はもう跡形もないその乾いた庭に

亀の形の手水鉢

世界はまがい物で埋め尽くされ

取り戻すすべがわからない

もういちどあの波の音を聴きたい

 

二月三日 えんぴつ

地を支配し

海を手中に収める

それはどういうことなのだろう

海を埋め立て 工業地帯を作りだした人たちは

ここに自分たちの名をつけた

上からかぶせられたその名はここに

小植民地の面影を与えている