深夜1時15分
電車のお客さんも終わって、乗り越しのお客さんが来ないかと駅で待っていた。
サラリーマン風の男性が、ゆっくりとこちらへ歩いてくる。
「よしよし、乗り越しっぽいから、そこそこ数字が伸びそうだ(^^)v」
そう1人で考え、にやつきながら狸の皮算用をしていたら、ジャージ姿の男性がサラリーマン風の男性を追い越してくるじゃないですか!
「マジか!や、やめてくれ~!乗らないで~!」と願う心を無視して、ジャージ姿の男性が乗り場へやってきた。
ドアを開けると乗り込むわけでもなくこちらを見ている。
「乗りますか?」
そう聞くと
「OOまで行ってくれますか?」と少し舌ったらずな話し方で聞いてきた。
OOはここから1時間はかかる場所。¥15000は売り上げになる。
内心「な~んだ、良かったじゃん」と思いながらも冷静に「大丈夫ですよ」と言うと、そそくさと乗り込んだ。
以前、身なりで判断し、クレームになったことがあったので一応乗車してもらうけど、きちんとした身なりのお客さんで到着したら「お金がありません」と言われたこともあって、時間だけ無駄に過ごしたこともあったので、一応確認もしなくては・・・・
もし、なにかあっても被害が少ないように走りはじめてまもなく話し始めた。
「大変申し訳けないのですが、OOまでは¥15000くらいかかりますが大丈夫ですか?」と聞く。
すると
「着いてから、家の人が払います」
「・・・あ~そうですか・・・」 (ちとヤバイかな・・)
「ちゃんと払うから大丈夫です」
「OOはご自宅なんですよね?遅い時間なので連絡は取り付けてありますか?」
「まだ連絡はしてないです。
自宅じゃないんです。親戚の家です」
「はい?さっきご自宅と言いませんでしたか?」
「自宅はXXでOOは知り合いが・・・・」
(あ~ダメだ。ここまでの金額だけ回収しよう)
車を止めた。
「お客さん。言ってることがおかしいですよね?ここまでで清算にしましょう。」
「お金ないです。どうしたらいいですか?」
(マジか・・・どうしよう・・・)
「今いくらあります?もしお支払いできないと申し訳ないけど警察に行くしかないですね」
かばんをまさぐるけど、出てくるのは小銭ばかり。
(あ~身なりで判断するのは良くないけど、今回は失敗だ~)
「ここに行ってください
。お姉さんです」
と、宅配便の控えを出してきた。
住所はまた全然違うところ。
「行くのは構わないけど、お客さん、さっきから言うことがおかしいから信用できないですよ。遅い時間ですけど電話して確認しますね。あなたのお名前を教えてください。」
電話をかけると、間違いなくお姉さんでした。
事情を伝え話をすると、実はこの男性、病院から脱走していて身内も探しまくっていて、捜索願も出ていた男性でした。
たまたま、脱走した病院はここから数分。
お姉さんと話し、そちらへつれていくのも構わないが、料金も高額になるので病院へつれていくことにした。
病院へ着くと、職員の方たちが血相を変えて迎えに来た。
男性も脱走が失敗し、しょぼくれて連れられていきました。
料金は病院に立て替えてもらったので取りっぱぐれはありませんでした。
身なりや表情だけで判断しちゃまずいけど、難しいよな~・・・
脱走といえば、似たようなことも他にあったことを思い出しましたが、また今度書きます。
さて、また頑張ろう。






