Let's cheer up!

Let's cheer up!

昔 息子を小児がんで見送りました。
あとどれくらいで会えるんやろ。

オンライン会議に余裕を持ってPC立ち上げる。

仕事は辞めてもやらなくちゃならないことがある。

今朝はデスクトップの方から入ろうと15分前には画面を準備して5分前に「入室」しようと思ってた。10分前でも入れた。

はずなのに•••

「ピンポーン🎵」

は?宅配便ではないよね。

やや速めに2階から下りる。

もおー。

組合費の集金、3,600円。 「すぐ持ってきます!」2階に駆け上がるアップ

お財布には3枚の千円札と小銭が複数。

あ、500円玉があった!よっしゃ あと百円。

え〰こんなときに限ってあとは10円玉かよ〰。

へ?きゅ、9枚?!

あと10円がない😰 勘弁してよー。

貯金箱から小銭をばらまく。

百円玉見つけた。 これで払える。

駆けおりるダウン 払う。 今日は世間話はしない。

駆け上がるアップ


2分前。

しかたない、間に合うことが大事。

「入室」クリック。

え?

バージョンアップしてください?

何だよーガーン

今かよー!


いかん、これじゃ間に合わん驚き

慌ててノートPC開く。断然はやく立ち上がる。

クリックしまくる。

はぁ?

またぁ?

URLからいつも入れるやん。パスワード入力?

しらんよー。

コピーするか、直接入力するか 

今日に限ってどういうことよ!

その時点で時間はジャスト。


そうこうするうちに

デスクトップのほうはアップデートが終っていた。

ったくもうっえーん あー、ラインがきた。「入れますか?」

入りますよ!やってますですよあせる


ようやく入れた7分後。


ショボーン

申し訳ございません。

大事な大事な企業様をお待たせするなんて最悪。

小さくなりたいのに

画面の私は誰よりもデカい。

ちょっとずつちょっずつPCを遠ざけてみる。

隣の人の顔の大きさくらいになった。

へんな顔だ。


なんでこんな人生なんだろう。


私のこれまでの人生を集約するなら、

「ついてない」でまとまる。


いつも選択を誤る。

スーパーのレジ。高速の料金所。

乗りたい電車はいつもギリギリで駆け込む。


思えば進学も結婚も、あっちを選んでいたらどんな人生だっだろう。


母の言う事を聞くべきだったと毎日思う。


選んでしまったからには仕方ない。


サザエさんとまる子の人生をあわせ持つ、私の人生は最強に最悪で

でもこんなしょうもない1日も

大切な一生分の1。


息子が教えてくれた大切な時間。


神様こんど生まれ変わるときには 

容姿や頭の良さよりも、

運をください。

よろしくお願いします。






昔 住んでいた街の定食屋さんで働いていた。

まだパラパラ言わせる暴走族や

後ろ髪だけ三つ編みにした子どもや

よそ行きのジャージに金のネックレスしている人がいる街だった。


定食屋にドレスコードは無い。

が、

明らかにお葬式帰りの集団でお店の半分くらい埋まったり、

明らかに夜寝る前にパジャマで来たり、

明らかに風呂上がりのまだ濡れた髪で来たり、

目が点になることがしばしばあった。

一緒に働いていた若い子はジュースを勝手に飲んで首になった。


マンガか。


久しぶりにその街を通ることになり、

懐かしさもあってスーパーに寄ってみた。


びっくり


夕方

明らかに風呂上がりだ。髪にタオルを巻いている。しかもバスタオルくらいデカいやつだ。

すっぴんの肌はピチピチで眉毛はない。

オレンジのスエット上下は素肌に着てる感じ。ファスナーは胸元で止まってる。


なんかもう、

あぁそうですか、びっくりした私が悪ぅございました ってくらい堂々と買い物してる。


ジェンダーレス

LGBTQ

外国人

老若男女

障がいがあろうがなかろうが、

みんななかま。


風呂上がりだろうが「あ、あれ買わなくちゃ」と思ったら 髪にドライヤーなんてかける暇はない。

彼氏の車で行ってチャチャっと買うだけ。



私も決して上品に育ってはいない。

ただ

どういう思考だとあれが平気になるのか、

あの子を乗せてスーパーへ行く彼氏も含め


理解できないのであった。


理解なんかしなくていいんだ。

もう会わないし

そういう世の中に変わったんだとあきらめよう。

何を買ったんだろう•••。






S子は40年来の友人。
私の中では親友。
若い頃から何故か好みが似ていて、ある時はスカートが色違い。ある時は通学バッグが色違い。
計算が苦手でワリカンはしない。ご飯を食べに行ってもどちらかが先に支払うと、「じゃあスイーツは私が出すね」みたいのをずっとやってきた。
去年久しぶりにお家へ遊びに行った時、玄関マットが同じでわろた。
子どもを亡くす なんて特異なことまで共有してもーた。

なんだろ、分身みたいな
いや、身内ではないのに安心できる存在。

そんな彼女と
登山というほどでもない
車で1時間ほどの森へ行ってきた。
S子はいつも絶妙のタイミングで外へ連れ出してくれる。
もう30年以上前、S子が結婚する時は親友を取られたようなヤキモチさえあった。
彼女は長い不妊治療と何度かの流産を経験したのち、ひとり息子を授かった。

切迫早産

小さな小さな赤ちゃんはすぐに管につながれた。

この世に出てくるには早すぎたのか
あるいは何かを伝えるためだったのか、
小さな体で一生分の呼吸をして
静かに長い眠りについた。
繋がれていた管を全部外して
やっと小さな体を抱きしめることができた。

S子はその事を
半年くらい誰にも言わなかった。

40を過ぎて私が妊娠したとき、使わなかったベビーカーやおもちゃを持ってきてくれた。

あのとき、
どんな気持ちだったんだろうと今でもふと考える。

やがて私の息子も小児がんを発症し、再発、再々発の末 向こうの世界へ還って行った。

しばらく途方に暮れて引きこもった。


そんな時

唯一受け入れられたのはS子の言葉だけだった。

「大丈夫、引きこもっていい。いつか必ずその時は来る。絶対また出られるようになるから」


「みずたまこはいっぱい抱きしめられたから羨ましい」と言われたとき ハッとした。


そうだ、

ひたすら悲しいのは変わらないけれど、

子どもを見送るのもいろんな形があって

私は息子と濃密な時間を過ごせたことは幸せだったんだと


気づき始めた。


死産の方の悲しみ

事故死の方の苦しみ

突然死の方の傷つき


ひとりひとり 子どものいのちの数だけ違う。


S子が言ったとおり、「その時」はきた。

私は外への一歩を踏み出した。



散策しながら喋り続けた。

最近の愚痴を「うんうん」と聞いてくれる。

「そんなやつ許せんね」と味方してくれる。

私が吐き出すモヤモヤは冷たい空気中に散らばり

神聖な木々たちが清らかに替えてくれる。


歩き続け、喋り続けて疲れてきたのに


なんか元気。


何百年にも渡ってこの世界を見守ってきた森の神々。

人の命なんて一瞬だ。

傷だらけの心に絆創膏貼り続けて S子は優しく笑う。

そだね。腹立つやつらはほっといて

もっと大事なことに集中しよう。

一緒に楽しいこと考えよう。