入院時は手術前も退院まで毎日妻と娘が見舞いに来てくれた。普段は家族と食事はあっても、何もなくただ話する時間はそんなに無かったのに。


私自身は元々1人で何でもやってしまうタイプで、1人でいる時間の方が好きだったりする。海外に5年単身赴任してたが、その前にも国内で5年間単身赴任の経験があった。自炊できるし、掃除洗濯などの家事も問題なし。なので単身赴任中は気楽に暮らしてました。(仕事は最悪でしたが)


妻と結婚して5年間は夫婦生活を楽しもうと合意して、二人で旅行などを楽しんだ。けど子供が出来たら妻は母親になった。そこから微妙なズレがあったような気がする。


国内転勤も子供がまだ小さかったので、一緒に行けたのに、子供を転校させたく無いからという理由で単身赴任となった。海外駐在の時には子供にとってもチャンスと思ったが「海外にはあなたが行きたいのでしょ?家族を巻き込まないで!」と言われてまたも単身赴任となった。


海外駐在時も週に1回電話があるか無いか、ビデオコールは嫌いという理由で、家族の顔を見るのは年に2〜3回。コロナ禍だったので帰国もできず、という状況で一人でいることが普通になっていた。


帰国後も特にお帰り感もなく、お互いに今までいなかった人が居て落ち着かないという生活でした。


なので、癌と分かった時の私は平然としていて、子供も大きくなったし、これだけは絶対やっておきたいという事もなく(旅行と歴史が好きだけど、海外駐在時に行きたいところの多くは旅行できた)、このまま長く生きなくてもいいかなぁと思っていた。


意外だったのが、妻の反応だった。医師から癌の手術が必要と言われた時、妻は泣き崩れた。私は癌よりも妻の反応に焦ってしまった。私が海外にいる間に就職して家を巣立った長男もとても心配していたし、高校3年の娘は「こんな時だから私がしっかりしないと」と妻を支えていた。


私は何かとんでもない思い違いをしていたと、こんな状況になって初めて気がついた。家族からは「まだまだ私たちにはお父さんが必要」と言われて泣きそうになってしまった。


手術には息子も来てくれて、家族全員で手術室まで見送ってくれた。そして、毎日見舞いに来てくれた。娘の高校卒業式は私はオンラインで見たのですが、そのあと娘は卒業式の服装のまま病院に来てくれた。


癌と診断された時は、手術後の抗がん剤治療も必要ないと思っていたけど、今は家族のために積極的な姿勢となった。まだまだお父さんは頑張らなきゃ!と毎日思うようになったら、自宅療養での家族との交流も以前と違っていい感じに思える。自分の姿勢が変わっただけかもしれませんが😂


けど、改めて家族に感謝です。ありがとう。