岸信夫メールマガジン 政治経済ニュース 2011年4月号 | 衆議院議員 岸 信夫 オフィシャルブログ「の・ぶ・ろ・ぐ」Powered by Ameba

岸信夫メールマガジン 政治経済ニュース 2011年4月号

 東日本を襲った大地震・津波災害の発生から1カ月がたちました。被災された方々に対しあらためて心よりお見舞い申し上げます。
 我々は野党の立場ではありますが、当初より政府に対して全面的な協力を約束し、災害対応を最優先に進めるよう政府・与党側にも要請してきたところです。これまで与党の時に災害に取り組んだ経験を生かして多くの提案を政府側に申し入れてきました。しかし、残念ながらこの1か月の政府の対応についてはまったく不適当、不十分と言わざるを得ません。我々は引き続き災害復興への努力を惜しまず、一方で政府の姿勢を質してゆきます。
(自民党の緊急提言(第二次)http://www.jimin.jp/jimin/info/jyouhou/066.pdf

4月4日に被災地に行ってきました。できるだけ被災地の方の迷惑にならないように、同僚参議院議員グループでまとまって新幹線で那須白河まで行き、そこからジャンボタクシーを使って宮城県の山元町から仙台まで回ってきましたが、津波から3週間経ったあとでも目の前に広がる惨状は言葉を失うほどでした。ブログにもレポートした通りです。
http://ameblo.jp/nob-1/entry-10852248491.html

被災された方々はいま、力強く立ち上がろうとしています。「かすかでも希望の光があれば頑張ることができる」とおっしゃっていました。必要なのは当面の生活資金。つまりキャッシュを早急に配ること。何が公平かを議論している時ではなく、例えば一人一律30万円を無利子貸し付けするだけでも、みな明日のことを考えることが出来るようになる。現地の切実な思いに応えて、政府は実行あるのみです。
被災地ではいまだに余震が続くなか、福島では原発の災害が進行中。放射性物質の拡散が続いており、その情報開示と説明が十分なされていないため、避難を強いられた住民の方々は不安に駆られる日々です。農産物をはじめ風評被害が広がっており、諸外国でも輸入制限がかかっていますが、ほとんどは全く心配に及ばない物です。政府は安全性についてしっかりアピールしなければなりません。しかしながら、わが国の発信する情報を国際社会は信用していません。低レベル汚染水の海洋放出を唐突に行ったことで近隣諸国は避難を強めています。原発事故レベルを次第に引き上げられ遂に7になりましたが、実は7になったのではなく7だったということ。何故統一地方選後になってから引き上げられたのか、政治的な憶測もされています。アメリカやフランスなども専門家チームの派遣を申し出てきましたが、これは支援というよりも最早日本の情報に頼っていられないという裏返し。情報を隠すことなく正確な数値を遅滞なく示しながら、しかし、不安をあおることのないよう、そのデータの意味、影響などを的確に説明する姿勢がいまの政府には欠けている。先日の外交防衛委員会でもこの点を指摘し、改善に言及させたところです。
 この国難のときに無駄な政局に時間を費やすわけにはゆかない、その通りです。多くの方からコメントが寄せられています。「災害が一段落するまでは総理を替える訳にはゆかない」と。しかし「今の総理が替わらないと災害は一段落さえしない」のです。

◇◇◇月例経済報告◇◇◇
◎今月の基調判断
「景気は、持ち直していたが、東日本大震災の影響により、このところ弱い動きとなっている。また、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」
※『月例経済報告』
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2011/0413getsurei/main.pdf

※『主要経済指標』
http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/shihyo/1104getsurei/keizai-shihyou.html

※『内外経済の動向』
http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei-s/1104-1.pdf

http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei-s/1104-2.pdf

※『東日本大震災の経済的影響』抜粋
http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei-s/1104-3.pdf

※『東日本大震災の経済的影響とその対応について』
http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei-s/1104-4.pdf
※景気ウォッチャー調査(3月)
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2011/0408watcher/watcher1.pdf


※前回も指摘したことが、内閣府の基調判断の文調は甘い。民間調査機関と比較して全く楽観的見通しすぎる。わが国は厳しい景気、財政状況が続いていた。そこに地震・津波災害、さらには原発災害、風評被害が加わったのであり、「弱い」どころではなくむしろ危機的な状況という認識を持つべきである。この内閣府見通しに沿って補正予算が組まれるとするならばそれは全く不十分なものになってしまうことが危惧される。電力供給の制限やサプライチェーン立て直しの遅れがリスク要因として挙げられているが、震災復興の足かせとして長く影響を与えかねない。特にサプライチェーン問題は復興を担う西日本の生産業も大きな影響をうけるもので、外国にその代替を求めざるを得なくなり、そのこと自体がさらなる景気下押しにつながる可能性もある。

※日本銀行 地域経済報告(さくらレポート)
http://www.boj.or.jp/research/brp/rer/data/rer110411.pdf

復興のための資金需要が大きく高まることが予想され、日銀は金融市場に大量の資金供給を実施している。また、被災地金融機関支援のため総額1兆円の低利(0.1%)貸付を準備中。株式は震災発生後弱く推移しているが、外国人投資家の買い越しは膨らんでおり、株式市場の回復が期待されている。一方長期金利は比較的低位安定している。

◇◇◇最近の関心事◇◇◇
<情報管理>
災害が多発的に進行している中で、情報の適切な管理は基本中の基本のはず。しかし、原発の事故については専門的な用語が使われ、理解が不十分なまま報道がなされ、無用の混乱につながっている。政府の発表も、何が安全かをもっと明確にすべきだ。「直ちに危険はない」と言われれば、では「直ち」でなくその先は危険なのかと考えてしまう。浄水場での検査でヨウ素131が基準を上回ったとして即日発表し、乳幼児の摂取を控えるべきとしたが、その結果、雨の上がった翌日の検査結果は基準内まで下がっていたにもかかわらず不安が先行し、ボトル飲料水が店から消えてしまった。
3月11日以降、ロシアは戦闘機を3度も飛行させて我が国領空に接近してきた。その度に航空自衛隊は緊急発進を行い、領空侵犯を防止している。災害対応で疲労・ストレスがたまる中で、さらに極度の緊張を強いられる緊急発進を繰り返させられているが、ロシアからは「大気中の放射能を自らモニタリングしているのだ、今後も飛行を続ける」と。ロシアは日本の緊急時の領土防衛体制を試すと同時に、日本からの情報があてにならないから自ら調べていることを明言したに等しい。このような非常時に領空接近を繰り返すロシアに日本政府は抗議さえしていない。一方、ロシア側のモニタリング結果は外務省には未だ提供されていない。
汚染水の放出についての情報提供体制もまた然り。国が情報発信の劣化は内外に混乱をもたらし、国際信用力の低下、国益の損失に直結することであり、政府に対し早急な改善を求めている。

◇◇◇編集後記◇◇◇
事務所に設置した募金箱にも沢山の募金をいただきました。4月1日に県連に渡し、党本部全体で集計しました総額1億7121万4533円を日本赤十字社にお届けいたしました。皆様の暖かいお気持ちに心より感謝御礼申し上げます。なお、募金箱は引き続き事務所に設置しております。ご協力よろしくお願いいたします。