7月3日(月)
湖西でも、ある範囲の間で釣りをしていると、たまにふと、この辺りを主な活動場所としているバスはいったいどの辺りで産卵をしているのだろうと思う。そして、そう思い周囲を見渡しても、あまりそれらしい景色が見当たらない。また、あったとしても、その周辺にでネストらしいものを見たことがない。
南湖に比べ険しいブレイクラインが岸から届く範囲にまで寄った場所が多い湖西。だから、あたり前のはなし、浅い所の面積が少ない。広大なシャローを抱えた南湖とは、同じ琵琶湖なのに全く違ったフィールドにいる感覚になるほど。
南湖では今年のGW辺りに産卵場所やそれに絡んでいるであろう魚体の姿をさんざん見た。主に南湖の東岸での話。
ただ、湖西の特にこの周辺でそれに近い光景に出くわしたことがない。そして、今日、6月も終わりの日に、湖西の浜を、息切れしながら歩いていて、あらためて思う。この辺りのバスはどの辺りで産卵しているのだろうと。
ふだんから頻繁にボートで釣りをしている人達なら、こんな疑問に簡単に答えられるのかもしれない。水質がリザーバー並にクリアな湖西にあって、サイトでネストやそれに絡んだ魚を見つけるのは難しくなさそうだから。もちろん、場所を絞りこめるという前提だが。さらに、湖西のベテランの釣り師や情報に詳しい人なら、ボーターやオカッパリに関係なくだいたいの答えを知っていそうではある。
しかし、残念ながらそれら全てに当てはまらない私は、この季節に湖西で魚探しで途方にくれた時、まさしく今日のような時に、ついこの疑問を思い出してしまい、湖西の景色をじっくり見渡してしまう。
例えば、南湖の産卵場所として代表的なようなアシが広範囲にわたって生い茂っている場所は、あるにはあるが、南湖のそれとは一風変わった雰囲気で、どうもそれらしい気配がない。ということは、例え少し沖であっても、あまり普段から底荒れせず、硬い底質である場所ということになりそうだが。
しかし、過去にそれっぽい場所へ、ヘビキャロなどを細かく通してみたが、いかにもネストっぽいという釣れ方をしたスポットを発見したことがない。そして、結局はよくわからないまま、またその疑問を疑問のまま忘れてしまっている。
夜の湖西の浜を歩きながらすっかりヘトヘトに、途中からキャストをするのも面倒になり、ルアーの操作など今やすっかり雑になってしまっていた。
一定の間隔で遭遇する小さな流れ込みと、流れ込み口の落ち込みや小さなサンドバーの周りには、また無数のコアユが固まっていていかにも良さそに見えたがそれらは殆どスルー。それどころか水中をライトで照らしサンドバーの上を土煙を上げながら進むという、あきらかに狙うべき場所をもったいないことをしながら進む。目指す場所があるとついそうなってしまったようだ。
殆ど人気のない砂浜を息切れしながら進む。民家の灯りの向こうで、湖西線を走る電車の音と同時にバチバチなりながらまるで雷のような青白い光が暗い比良の山腹に光っていた。釣りをはじめた場所はすっかり小さくなり、まだ釣り人が数人残っているのが、影の動きやヘッドライトの光で分かる。ここまでいたる間、いっさい何もない。バスのアタリも、いそうな場所の感触も。
とにかく、浅い場所を目指す。釣りをはじめた場所が深い場所だったので、いちど気分を変えて真逆の条件の場所で釣りをしてみたかった。そこで、何かわかりそうな予感がして、だんだん激しくなる息切れに、キャストもおざなりになりながらも夜の浜を進んでいた。進むにつれキャスト間は長くなり、シンカーの沈む時間は短くなっていく。ついにフルキャストで60〜70mとして、そこでも水深が3mほどしかないかなというところへ辿り着く。