嘉俳(カベ:中秋節の宮中遊び)を二日後に控えて、旗印(キジ)を掲げた清国(チョングク)の使臣たち(サシンドゥル)が漢陽(ハンヤン)へと到着した。太平館(テピョングァン)で旅装を解いた使臣たち(サシンドゥル)がすぐに入宮(イプグォル)するという知らせが伝えられるやいなや、宮中は慌ただしくなった。清国(チョンナラ)使節団(サシンドゥル)の為に設けられる宴である下馬宴(ハマヨン)を準備するためだった。
仁政殿(インジョンジョン)の前には巨大な日覆いが張られた。王と王族たちが上座へ座った。正殿(チョンジョン)の広い庭に置かれた品階石(プムケソク)に従い、臣僚(シンリョ)たちと清国(チョンナラ)使臣たち(サシンドゥル)が鎮座した。臨時で設けられた熟設所(スクソルソ)百余人の待令熟手(テリョンスクス)たちが海や山の幸で料理を作るために汗を流した。正殿(チョンジョン)前の月下臺(ハウォルテ)では掌樂院(チャンアクウォン)所属の樂士(アクサ)たちが音楽を演奏していた。女伶(ヨリョン)たちは踊りと歌で宴会に華を持たせた。
そんな風にして始まった宴会は、夜遅くまで続いた。夜になり、宴会の場所を東宮殿(トングンジョン)に移動した。通行門を全て取り除いた重熙堂(チュンヒダン)に、新しい宴会場が設けられた。どれくらい酒が回ったのか、清国(チョンナラ)の使臣たち(サシンドゥル)は正殿(チョンジョン)での時よりも少しへらへらと解けた表情で興趣を楽しんだ。全ては順調に流れていた。勅使(チクサ)たちはとても楽しみ、彼らを迎えた朝鮮の大臣たち(テシンドゥル)も和やかな表情で彼らを接待した。
しかし、たった一人、王世子(ワンセジャ)ヨンは依然として何も映していないような顔で人々が近づいてくることを許さなかった。彼の全身にまとう冷たい空気に、清国の使臣たちですら、彼の顔色を窺っていた。もちろん、気にも留めない者もいた。
あの方はくたびれることもないのね。
ヨンの背の後ろで屏風のように立つラオンは壇上に向かって近づいてくる一人の女人(ヨイン)を見ながら長い低くため息をついた。
今回の使節団(サシンダン)は、清国(チョングク)と朝鮮(チョソン)両国間の文化交流という目的があった。そのようなわけで、音楽と舞踊に関係のある匠人(チャンイン)たちが数名、この使節団に参加していた。その内、女人(ヨイン)は全員で七名だった。それぞれが楽器や歌、それから舞踊に秀でた才能があった。そのうえ、誰もが目を見張るほど物凄く美人ばかりで、一度見たら忘れようにも忘れられない女人たちだった。
その七名の中でも特に目立った美貌を持った女人がいた。紅い生地に、豪華な黄金の牡丹の花を刺繍した吉服(キッポク:婚礼衣装)、色とりどりの花模様の装身具と点翠(碧い石?のような宝石で作られた飾り)装飾の髪飾りを身にまとった一人の女人が、ヨンに向かって紅く塗られた唇を長く横に伸ばし、誘惑的な微笑を送った。清国皇太子(チョンナラ オファンジャ)の娘である、ソヤン公主(コンジュ)だった。清国諸侯国の公主という身分のせいだろうか?彼女は他の使臣のことは少しも気に留めもしなかった。そればかりか、ヨンの冷淡な表情さえも関係ないようだった。ソヤン公主(コンジュ)は、清国最高の琵琶奏者として、この使節団(サシンヘン)に参加していた。しかし、今日一日見てみると、公主の態度は、彼女に他の目的(下心)があることもまた物語っていた。
ソヤン公主(コンジュ)はずっと、ヨンに向かって誘惑する視線を送ってきていた。睫をくるりと上に向けたまま、えくぼを作った。その熱い誘惑に狼狽したのは、ヨンではなくその後ろで立っているラオンだった。女人にしてはあまりにも堂々とした感情表現に、見るに忍びない気持ちにすらなった。
清国の女人たちは朝鮮の女人たちとは雰囲気がかなり違った。朝鮮の女人たちが清楚ながらも慎ましい春の花だとするならば、清国の女人たちは、目いっぱい満開になった華麗な夏の花だった。謙遜を美徳とする朝鮮の女人たちとは違い、彼女たちは慎ましくする代わりに、堂々と誘惑した。男は誰でも色を好む。特に、花のような美しい女人の誘惑の前に、平然としていられる男などほとんどいないほど。ソヤン公主(コンジュ)の大胆で堂々とした誘惑の元は、このような自信からくるようだった。
しかし・・・・・・公主媽媽(コンジュママ)世の中には例外というものがあるものです。よりにもよって、花草邸下(ファッチョチョハ)へと御心を送られるなんて。
ヨンに向けたソヤン公主(コンジュ)の隠密な誘惑に、ラオンは目を剥けないように首を小さく振った。案の定、
「あの女人はだれだ?」
ヨンの小さな声がラオンの耳元に届いた。どんなに見事な美辞麗句をもってしても、足りない程の美しい公主(コンジュ)でいらっしゃるのに、ヨンの目には他の女人と何も違うところのない見分けのつかない顔の一つなだけだった。
「ソヤン公主(コンジュ)でいらっしゃいます。」
そして、私がこのようにお答えすることも、もう三度目でございます。
「あの女人がソヤン公主(コンジュ)だと?」
その今更ながらに聞いてきた問いに、ラオンはもう一度溜息をついてしまった。もはやあの見事なまでの美人が気の毒になって来た。どうしたら毎回見分けがつかずにいられるのか?など、驚くほどだった。また、どうしてヨンが自分を影のように置いたのか、理解できて余りあった。王世子(ワンセジャ)が使臣としてきた女人たちを見分けられなければ、単純な嘲笑では足りず相手の国を無視していると誤解を生んでしまうところだった。
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いよいよ宴のシーンですね( ̄▽ ̄)
ラオンのシーンは・・・・あるのでしょうか??
このシーン、大好きだったんですがヽ(゜▽、゜)ノ
さて。
ソヤン公主・・・・とは・・・ドラマでは
このお方・・・ですね♡
・・・・このお姿・・・覚えてますか?どういう姿なのでしょう・・・
嬪君(ピングン)姿・・・・
はたして・・・原作ではどうなるでしょうね・・・((>д<))
随分あいてしまい、ごめんなさい(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
また、楽しんでいただけるよう頑張ります~♪
***余談ですが・・・
ハヨン役の、スビンちゃんの最新ドラマ♡
『ロボットじゃない』
韓国ではちょっと前に終わったんですが♡
リアタイで実は超ドはまりしました・・・(笑)あはは☆
この二人も、ぼゆカップル並みに仲いいの!!!!!
可愛いの!!!!!!!!
つい最近スンホが日本に来ていた時(『君主』の関係で)スビンちゃんも日本の奈良公園に来ていたって話題になってました~(///∇//)
なんか、日本で放送するようですね!!新大久保行ったら貼りだされてた♡♡
まだご覧になっていない方がいらっしゃったら、ぜひぜひ見てくださいね~~~(*´艸`*)
にょほほ♡