それでも、うまく中殿媽媽(チュンジョンママ)や妹(ヌイ)たちの顔を見分けることができることは、不幸中の幸いかしら?
そのような事情など知る由もないソヤン公主(コンジュ)が巻き上げられた窓の外に向かって顔を向けた。いつの間にか時刻は亥時初(ヘシチョ:午後9時)になろうとしていて、黒い絨毯のように敷き詰められた夜空には月が浮かんでいた。乳白色(ユベクセク)の月を奥ゆかしい瞳で見つめていたソヤン公主(コンジュ)がその目でヨンを振り返った。
「朝鮮(チョソン)の月はなんて美しいのでしょう。」
おぼろげな声がに、どこか期待が込められているようだった。しかし、そんな、期待していることなどまるで知る由もない男は、礼を崩さず冷ややかな声で答えるだけだった。
「月などどのような場所でも平等に昇るもの、朝鮮の月だからと特に美しいということなどありましょうか?」
こんな風に言われてしまえば、他の女人であれば早々に心を畳んで下がるものだろう。しかし、ソヤン公主(コンジュ)は他の平凡な女人たちとは違った。
「今日のように月明かりが明るい日には昌徳宮(チャンドックン)の姿がとにかく美しいと伺いました。」
「清国(チョングク)の頥和園(イファウォン)もここに劣らないと聞いた。」
「小女(ソニョ:女性が自分をへりくだって言う言い方)の目には頥和園(イファウォン)の月明かりより、ここ、昌徳宮(チャンドックン)の月明かりがよほど美しく思えます。あのような月明かりの下、散歩などできたらどんなに良いでしょう?」
ソヤンは、少しだけ露骨に気持ちを表現し始めた。琵琶奏者として今回の使節団について行けと言う父の命を受けた時、ソヤンは実は、面倒に感じただけだった。朝鮮との文化交流という名分は彼女の気持ちを動かさなかった。小さくつまらぬ国と何を交流するというのか、なんて、少しは見下した心情のままついてきた使節団であったが、下馬宴(ハマヨン)に出席した王世子(ワンセジャ)イ・ヨンを見た瞬間、文句を言っていた彼女の心に変化が起こった。
一瞬の迷いとでも言おうか?ヨンを見た瞬間、ソヤン公主(コンジュ)はどこか運命を感じた。天がこの朝鮮という国に自分を導いたのは、ひとえにあのイ・ヨンという男と合わせるためだったのね。そう、勝手に自分の運命を解釈すると、決心した。しかし、どうしたことか、男たちの気持ちなど一瞬で溶かしてしまうはずの自分の微笑を前にしても、王世子(ワンセジャ)は変わりなく淡々とした表情であるだけだった。いくら王世子(ワンセジャ)だといっても、恥ずかしい気持ちを隠しているようね。
このソヤン(ソヤニ)がこれくらいで簡単に退くと思うのですか?
「月明かりが映し出される池の水もまた、どんなに美しいのでしょう、月明かりを受けた花たちもまた、さらに綺麗に揺らめいているのでしょうね。あぁ、気になりますわ。」
ソヤン公主(コンジュ)を見ていたヨンが、ついに口を開いた。
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ハヨン役のスビンちゃんは好きなので・・・
誰かいい役いないかな~・・・と
嫌いじゃないけど、妄想はこの人にさせていただきました(笑)のあ。
皆さんもお好きな方で、どうぞソヤン公主をお楽しみくださいませ( ̄▽ ̄)
つっけんどんにされようが、まず、ヨンにとってはソヤン公主と他の女人との違いに気付きもされていないという事実も知らず、ヨンが照れているだけだと勘違いしちゃっているみたい~(ノ´▽`)ノ
そんな、これからも真っ直ぐに突き進んじゃうソヤン公主です~~~(笑)
さて。ヨンはなんて答えるんだろう?(*´σー`)
短くてごめんなさい~・・・もうここまででアップ。。。休むよりまし?( ゚ ▽ ゚ ;)