「ここに、世子邸下(セジャチョハ)の起床時間と就寝されるお時間、それから朝の水刺(スラ:王などに差し上げるお食事)を召し上がるお時間、夕方の水刺(スラ)と夜食のお時間、邸下(チョハ)のお好きなお食事や、お嫌いなお食事、邸下(チョハ)のお傍にお付きする時、ホン内官が食べてはいけない物などを記してある。できるだけ書かれていることを覚えておくと役立つことでしょう。」
「畏まりました(チャル アルゲッスムニダ)。」
「何、これくらい知っていれば、邸下(チョハ)を輔弼(ポピル:君主が政治を行うのを助けること)することに大きな支障はないでしょう。」
「本当にありがとうございます(チョンマル カムサハムニダ)。チャン内官様がいらっしゃらなければ、どうすればよいのか皆目見当もつきませんでした。」
「私たちの関係でそんな堅苦しいことを。」
「いいえ、本当にありがとうございます。」
「そう言われたくてしたわけではありません。それよりもホン内官。」
話すことがあるのにどうしても口にすることができないでいるチャン内官は、しばらく言い渋った。
「どうされましたか?」
「その・・・・体調の良くない者にこのような話をしてもよいものか・・。」
「なんでしょう?おっしゃってください。」
「いますぐに東宮殿(トングンジョン)の庭園へ行ってみなければならないのです。」
「東宮殿(トングンジョン)の庭園ですか?」
「庭園を管理されているキム上院(サンウォン)が、今日急に妻の実家(チョカ)で用ができて入宮されなかったらしいのだ。」
妻の実家(チョカ)?宦官にどんな妻の実家があると言うのですか?
ラオンはきょとんとした表情になった。
「まさか、その妻の実家(チョカ)というのは、私の知っているその、妻の実家(チョカ)という意味でございますか?女房(ネチャ)の実家(チンジョン)?」
「そうです。その妻の実家(チョカ)ですよ。」
「宦官にどうして妻の実家(チョカ)などがありえるのですか?」
ラオンの質問に、かえってチャン内官が荒唐無稽な表情で答えた。
「知らないのですか?宦官にも家族を作ることができるのです。出入り番内侍たちの中には家族を作っているものもたまにいます。」
あぁ、宦官も結婚することができるのね。
ふと、気になった。内官(ネグァン)の結婚生活はどんなものだろうと。確実に平凡な家庭とは違う感じでしょう。
「そうなのですね。それで、東宮殿(トングンジョン)の庭園では何をすればよいのですか?」
「秋の日照りがひどくなり、庭園の花や樹々がぐっと乾いたそうです。水でもやらねば宴の日に無様な姿に見えるかもしれないとキム上院(サンウォン)が心配されていた。聞くと、井戸水を汲んできて、花と木に一つ一つに撒いてやらねばならないと。」
「ご心配なさらないでください。私が今日中に青々と蘇らせておきます。」
「あ、いや、一人でするのは難しい仕事だから、内侍府(ネシブ)へ人手を要請したのですが、マ内官が手伝える人材が一人もいないと。気持ちとしては私でもホン内官を手伝いたいのですが・・・・。」
「チャン内官様は世子邸下(セジャチョハ)の居所を掃除せなばならないのではないですか?」
「そうなのです。私の手でせねば全く仕事にならないので。」
「それは全てチャン内官様の手先が普通の方よりも器用だからではないですか。」
「そうなのです。それなりの器用さならばよかったものの、どうしたものか、このように器用なもので。」
チャン内官が愚痴なのか自慢なのか見分けのつかないおしゃべりをしていた時だった。二人の頭の上に、長い影が現れた。いきなりの日陰に、熱心に話していたチャン内官が頭を上げた。しばらくした後、彼の口から、叫び声のような言葉が飛び出て来た。
「・・・・・世子邸下(セジャチョハ)!?」
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・・・・・。
私の話をしていたか??
ついにヨン~~~~~~!!!!
チャン内官の後ろにぴったりとひっついて歩くラオン。
しかもなんか顔色も悪そうだし??
やっぱり黙って見ていられなかったみたいね~(笑)
続きで書いていたのですが、なんか飛んじゃって!!。゚(T^T)゚。消えたので、
ちょうどいいここで先にアップしときます~~~(ㆁωㆁ*)