今日が父の日だということを、昨日気がついた。やはり、世間一般に父の日の認知度が低いなと思った次第である。昨日、スーパーに買い出しに行ったら、小さく父の日と書かれ、黄色のカーネーションを添えられた和菓子のセットをみつけた。「ああ、第3日曜日、父の日だ!」と思い出したのだった。私にも夫にも、父と呼べる人はもうこの世にいない。それもあってか、父の日に疎い。

 

 私には、父の日になると思い出す遠い悲しい記憶があるのだが、今日はそのことを書こうと思う。短大の保育科を卒業した私は、実家近くの保育所に三年勤めたが、その時の話である。なので、45年前くらいの遠い日の思い出話である。もう細かいことは忘れてしまっている。

 

 その保育所に三人の子どもを預けている家族がいた。たしか、自営でお店をされていて、お父さんは働き者で子煩悩な優しい人だった。子どものお迎えにもよく来られていた。すてきな家族だなといつも見ていた。そのお父さんが、父の日の前後に、交通事故で亡くなった。亡くなる前日にも、保育所に子どもたちをお迎えに来られていて、帰るときの後ろ姿が、なんだか寂しそうに見えたのを私は記憶している。幼子を残して、この世を去った人の気持ちを思うと辛い。それも父の日の頃に。

 

 その後、子どもたちや奥様がどうされたのかは、私には知るすべもなかった。若かった二十歳の私にも、この出来事はショックで忘れられなかった。特に雨の降る父の日は、二十歳の私に戻って、寂しそうで消えてしまいそうなお父さんの後ろ姿を思い出してしまう。

 

 あれから、45年。小さかった子どもたちは、立派な大人になって、誰かのお父さんやお母さんになっているだろう。幸せでいてくれるだろうと思わずにはいられない。人の命は、いつどうなるか分からない。明日もまた同じようにやって来るとはいえないのだ。私たちは、命を大切に、毎日を大切に。会いたい人に会い、話したいことをいっぱい話していこう。精一杯、今を生きよう!

 

こんな素敵な歌、見つけました!

Mrs.GREEN APPLE 「点描の唄(feat.井上苑子)」

いつも読んでくださりありがとうございます。

あなたの幸せを祈ってます。