先日、BSNHKで再放送されていた「広重ぶるう」というドラマをみた。あらすじはこのような内容である。歌川広重は、家業の火消しで生計を立てる下級武士。幼いころから絵を描いていたが、鳴かず飛ばずの毎日で、妻の加代に支えられ、ベロ藍との出会いもあり、世の中に認められる絵師になるというお話である。同時代の有名絵師、葛飾北斎も登場して、興味深いドラマであった。なお、このベロ藍というのは、ヨーロッパから日本へ輸入された化学的な合成顔料で、あざやかな青色を発する絵の具のことである。

 

 ドラマを見て数日後、夫から大阪中之島香雪美術館で「北斎と広重展」が開催中と聞いた。それは、ぜひぜひ見なくてはと、話がするする決まり、今日見てきたのだ。混みあっているだろうと思ったが、やはり、入場規制になっていた。人の列の最後尾に並ぶ。係の人から「30分待ちになっています」と言われる。でも、ここまで来たからには「見て帰る!」と待つこと30分で中に入れた。

 

 葛飾北斎と歌川広重の二人の浮世絵師を対峙させた展覧会をいうのは、なかなか面白いと思った。二人とも江戸時代の版画家で、北斎の方が30歳くらい年上である。二人とも繊細で緻密な絵を描く人である。私の個人的な見解を述べると、北斎は絵の構成にダイナミックさがあり、広重は色を愛して、たくさんの色で表現した人であった。

 

 二人とも、ベロ藍の色を愛して、日本の絵画を世界に広め、ゴッホやモネなどに影響を与えたのである。葛飾北斎の「富嶽三十六景」、歌川広重の「東海道五十三次」、どれもすばらしい。もちろん、これらの作品は、絵師だけではなく、彫師、すり師などたくさんの人たちの力によって生まれたということを、忘れてはならない。あなたも、一度見てみてくだされ。ベロ藍の色に惚れますよ。

 

この曲に心打たれますよね、誰でもこんな風に思うときはあります。

ハンバートハンバート 「虎」

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