いつか別れの時がやってくると、頭では分かっていたものの、その日が突然やってきて、胸が痛んだ。ともに歩いてきた。ともに生きてきた。それは、私にとってかけがえのない相棒、信頼できる相手であった。

 

 サヨウナラ、ぐっと涙をこらえて、別れの朝に、私はそのかけがえのないものに、そっと優しく触れた。「今までありがとう」、心を込めて伝えた。そして、潔くゴミ袋の中に捨てた。捨てた、捨てた。ナイキのスニーカーを。

 

 4年間、君のことを好きで好きで、大好きで、いつも一緒にあちこち歩いた。ナイキエア-ジョーダン、1LOW。色は、ユニバーシティブルー。私の足のサイズより大きめ、24,5㎝。唯一無二の私の相棒だった。こんなに足にフィットして、こんなに私の足を愛してくれたのは、君だけだった。全て好きでした、ありがとう。

 

 多分、君とはもう出会うことは無いだろう。ずっと私は、君との別れの日を考えていた。もう、靴底がすり減って、つるつるになってきていたけど、君のことを見限ることはできなかった。でも、君が「もう、お別れの時だよ」と私に告げた。

 

 それは、ある雨の日。どんな土砂降りの日も、君は私の靴下を濡らしたことが無かったのに、右足の靴下がひどく濡れた。「どうして?」と君に問うと、「私をよく見て、もう限界なんだ!もう、お別れなんだよ」と言った。君の素敵なフォルムが崩れて、縫い目が大きく裂けていた。

 

 「守ってあげれなくてごめん、ずっと一緒にいられると思っていたのにごめんね」と私は泣いた。すると、君は私の瞳をじっと見つめながら、こうつぶやいた。「僕は、これで終わりじゃないよ。また、新しく生まれ変わって、違うものになれるから、それも嬉しいんだよ」と。

 

 別れの朝、素晴らしい君の門出を祝おう。私は、また、唯一無二の君と出会うことが出来るだろうか…。いや、出会わなくてもいい。君の思い出を胸に大切に生きていければ、それで十分だ。ありがとう、エアージョーダン、1LOW。

 

 履いて痛い靴、歩きにくい靴、滑る靴は、すべて処分しています。靴は大事です。私たちの生きる道の指標となります。あなたの足に合う靴を選んでくださいね。

 

昔の曲だけど、この人たちの才能を感じますね。

Back number×秦基博×小林武史 「reunion」

いつも読んでくださりありがとうございます。

あなたの幸せを祈ってます。