ゼロの焦点を観た。同じく松本清張映画化の名作『張込み』の脚本監督コンビによる鉄道推理ドラマは、川又昴のカメラもあって実に日本海、実に能登半島だ。撮影隊も能登の強風に手を焼いたとある。芥川也寸志の劇伴も良い。火曜サスペンスの代名詞"崖ぎわでの謎解き"が王道になったのは、本作が原点と言われているが、確かに久我美子の断崖での謎解きは長い。中盤、次々に証言をたどって行く過程は、さすが映画を知り尽くしている職人監督、野村芳太郎独壇場で短いカットの連続面白い。高千穂ひづる運転の車が、追ってくる加藤嘉から遠ざかるカットは、当時小さくないカメラで、どう撮影したか?これも面白い。が、当時の評論家や各賞は全く相手にしなかった。謎解きが終わり強風の中、風に揺れながらフレームアウトする久我が、関係者でなくまるで名探偵のように事件を解決してしまう、不思議な一本

















