を観た。~3行映画評~ -2ページ目

を観た。~3行映画評~

日本映画を中心に。たまに見る劇場新作も。タイトル前の◎はオススメ○は見て損ナシ△は気をつけて⭐️はその年のベスト



海峡を観た。確かに大作だし、これだけの作品を手がけられるのは当時森谷司郎くらいだったかも知れないが、コンビの撮影木村大作は下手だ。俺にまかせろと言わんばかりに、特撮監督も置かず撮影した冒頭の船の難破シーンは超ミニチュア的だ。多くの絶壁撮影は役者もカメラも強風で揺れているし、極限撮影に満足しているのは本人だけで映像としての効果は薄い。森繁久彌の下りでカメラ前に崩れる落盤は、別班の特撮に頼らず無理に本編側で撮るため、水の粒の大きさでバレバレだ。そのまま映画はクライマックスへと進み観客は高倉健に反比例して冷めていく。そして爆破→貫通→ゆっくり歩く健さんガッツポーズに、軽過ぎ劇伴がかぶる。東宝創立50周年で作成された大作映画3本は、みな酷い出来で斜陽の坂をさらに転げ落ちて行く...。

(余談)内容無関係だが、実は大学時代、本作脇役の一般公募を見つけ、友人二人と応募した。撮影現場が見たい一心だったが結局書類審査で全員不合格。うち一人はその後、撮影現場を仕切る人生を歩む事となる。何にしても、大事な場面でかかる南こうせつのテーマ曲の軽さが致命的な、一本