エル・スールを観た。欧州の文芸作品は苦手だ。大学の頃、周囲のみんなは褒めていたけど、長く退屈で暗い画面が延々と続く作品群は、いくら世間の評価が高くても見てられなかった。映画をストーリーで見る私は、本作の様にスペイン内戦の影や前作との繋がりなどの複雑な背景は、想像出来ない。しかし、画面はどこまでも静かで美しく、照明による陰影は油絵の様だ。それでいて全てが押し付けがましくない。ラスト、レストランテーブルでの大人になった娘と父との会話だけでも十分好印象だ。フランケンシュタインや脱走兵が出てこなくても、少女の語りだけで最後まで見続けられる。『ミツバチのささやき』から10年、映画界に時々居る"寡作監督"の生涯4作品中の、一本
