海は見ていたを観た。黒澤明の遺稿シナリオを熊井啓が演出した大江戸廓(くるわ)物語は、日活制作のせいか大味だ。黒澤組のスタッフが大挙して参加しているが、もし、美術の村木が言っているように"下層の廓"を描こうとしたのなら本作は失敗。画(え)は物凄く綺麗だ。そして何より姉御役の清水美沙がミスキャストと言わざるを得ない。適役で言うなら全盛期の京マチコか外科医の米倉涼子、トラブル前の真木よう子あたりか。ログライン『いろいろあるけど、最後は洪水に流されてみんなイチから出直しが出来る』は良いようで無責任な作劇。確かに黒澤が判断した様に映画化に向いてはいるし、大雨で水かさが増していく終盤は緊迫した場面続くが、大団円までとはいかない。純朴で男に惚れて騙される主人公を遠野凪子(なぎこ)が演じてしまっているのも、今となってはマイナス。クレジットにタイミングとあったので現像所を見たら、東洋現像所でもイマジカでもなくソニーPCLとなっている…フィルム作品終わりの時代。劇伴やカメラワークを黒澤と比べられてしまうは本作の宿命、の一本













