ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた | を観た。~3行映画評~

を観た。~3行映画評~

日本映画を中心に。たまに見る劇場新作も。タイトル前の◎はオススメ○は見て損ナシ△は気をつけて⭐️はその年のベスト

ボストンストロングを観た。現実は映画のようにはいかないし、映画で現実の出来事を描くと幾つかのウソが混ざってしまうのは避けられない。2013年ボストンマラソンの競技中に起きたテロ事件で両足を失いながらも、犯人を目撃し逮捕に協力した男は、突如ヒーローに祭り上げられる。しかしダメ男がくだらない人生から立ち直るのは簡単ではない。雑で怠惰で、ビール飲みながらスポーツ観戦をして、散らかったリビングのソファに座り悪態をつく典型的な米国人の私生活は、画(え)にならなくて他の映画ではあまり描かれない。また国のどこへ行っても顔と名前が売れることがどんな大変な事かを車椅子搭載カメラ目線で見せてくれる。テロ現場再現の迫力より、主人公の内面に入るカメラ秀逸。本筋の恋人との再会・愛情・憎悪・結末までを丁寧に描く。ハッピーエンドだが軽くない。観客は主人公のだらしなさにウンザリするがそれが現実。カウボーイハットの救出した男性との再会は、感動的だ。テロ批判映画でなく自分の人生をどう立て直すかを描く佳作