父が再婚してしばらく経った頃
家族旅行に行こう
と父が言った
今度は乃愛ちゃんも一緒にいくんだよ
え、ほんとに?!
私も連れてってくれるの?
うん、そうだよ
新婚旅行は、お父さんとお母さんだけの旅行だったからね
今度は乃愛ちゃんも一緒に家族旅行だよ
嬉しい!
どこへ行くの?
温泉だよ
ひろーいお風呂のあるところだよ
うわぁ、遊ぶところもある?
遊ぶところはどうかな…
でも、お土産とか、色々買おうね
私はすごく嬉しかった
私はもうずっと邪魔者になるのかと思っていたから
一緒に行こうと言われたことが本当に嬉しかった
そして、その日が楽しみで楽しみで
待ち遠しくて
旅行の日まで指折り数えていた
そして、その旅行の日がやってきた
車で出掛けたのだが、かなり長時間の移動になった
相変わらず、私は後部座席に座らされて
カーブの多い道を走ったんだろうか
私は車酔いしてしまった
それまでは、そんなに長時間車に乗ることもなかったし
私が車酔いするなんてこと、私も知らなければ
父も分かっていなかった
う…、気持ち悪い…
どうしたの?大丈夫?
お父さんもお母さんも心配してくれた
途中で車を停めてくれた
そこで私は嘔吐してしまった
前の席なら少しはましかもしれないから
少し落ち着いたら前の席に乗って行こう
そんな話になった
車が走り出すと、また気持ち悪くなってしまう
窓を開けたりして、なんとかするものの
何回か、車を停めてもらうことになってしまった
そんな感じで行ったものだから、予定より遅れて
目的地に到着した
温泉宿に着いたら、しばらく横になって休憩した
それでも、夕食の時間にはなんとか落ち着き
お土産物屋さんなどを見に行くことにした
ぶらぶら歩いてるうちに、私はすっかり
気分も良くなっていた
宿に帰って、広いお風呂に入り
夕食は部屋で食べた
それこそ、見たことのない食事で
とても美味しかったし
お父さんとお母さんと3人で楽しく過ごせた
ああ、ずっとこのまま時が止まればいいのに
そんな風に思っていた
次の日は、近くの観光地へ行き
見たことのない景色を見たりして過ごした
そしてまた、帰り道
車酔いの薬を買ってもらって
それを飲んで帰ることになった
それでもやはり、カーブの多い道になると
気分が悪くなり
時々、車を停めてもらうことになってしまった
お父さんもお母さんも、心配はしてくれるものの
少しずつ苛立ちが見えるようになってきた
もう降りる?
怒ったように父が言った
やだ、降りない!
私は泣きながらそう言った
その後はどんなに気分が悪くても
我慢した
嘔吐しなかったから良かったものの
本当に辛かった
せっかく楽しみにしてた家族旅行なのに
旅行先では楽しく過ごせたが
最悪な気分で終わる旅行になってしまった