妊娠中の母は臨月を迎えた
赤ちゃんが生まれる
弟か妹が出来る
それは嬉しいことで、楽しみにしていた
だけど、日々の暮らしの中で
自分の気持ちを押し殺し
頼まれたお手伝いをする毎日に嫌気がさしていた
赤ちゃんが生まれるとなると、
母は1週間ほど入院するのだということ
その後、養生の為に母は実家へ1ヶ月ほど行くのだということが分かった
私は何故か、嬉しくなってしまった
また父と祖母の3人になるんだと思うと
ちょっと楽しみになってしまった
早く生まれてくればいいのに
そんな風に思っていた
そして、いよいよ陣痛が始まり
父の車に乗って母は病院へ行った
今まで窮屈だった私は一気に
自由になった気がした
そして夕方頃
父が帰って来た
生まれたよ、男の子だよ
ついに私に弟が出来た
ここで私はまたほっとした
私は女の子だから弟が生まれて良かった
同じ女の子だったら、それこそ、
私はほったらかしにされるかもしれない
私は女の子で、弟が男の子だったら
それぞれをちゃんと見てもらえるかもしれない
そんなことまで考えてしまっていた
それから次の休みの日には
父と一緒に病院へ行った
病室にいるお母さんは嬉しそうにしていた
これからしばらく、おばあちゃんと一緒に
お家のこと、お願いね
そう言われても、全く平気だった
まだ小学校低学年だけど
買い物にも行けるし、
ご飯だって簡単な物なら作れるし
洗濯を干すことだって、たたむのだって
何だってやれるんだもの
学校から帰ったらすぐに宿題をして
少しでもお友達と遊べるし
お家に遊びに来てもらうことも出来る
少なくとも前よりは好きなように過ごせる
楽しみで仕方ない
そして、生まれた弟を初めて見た時は
これが私の弟なんだ
赤ちゃんってこんなに小さいんだ
他にも沢山の赤ちゃんが並んで寝ていたけれど
私の弟が1番可愛く見えた
まだ触ったりは出来なかったけど
学校のみんなと同じように
兄弟姉妹が出来た、それが嬉しかった