あの日、車から降りて
母が駅の方へ行くので
私も降りようとした
父はそれを止めた
降りなくていいんだよ
と父は私に言った
え、なんで?
と聞いたけど
いいから
父は理由を言ってはくれなかった
そして家に帰ったけど
もちろん、母はいない
明日になれば帰って来るんだろう
と思っていた
でも、次の日になっても
その次の日になっても
またその次の日になっても
母は帰って来なかった
私は父に恐る恐る聞いてみた
お母さんは?
すると父は、少し間をおいて
いないよ
と言った
なんで?
と聞いたけど
もういいから
それ以上は何も言ってくれなかった
今度は祖母に聞いてみた
すると
そんな人のことは知らないよ
と祖母は言った
私にはどういうことなのか
全く理解出来なかった
それから気が付けば
父と祖母と3人家族なのだということが
分かってきた
それからしばらくして
私は父に連れられて
行ったことのない所へ行った
なんだか広い所で
私と同じくらいの子供が沢山いた
明日からここへ来るんだよ
父は私に言った
そこは保育園だった
一人っ子の私は
不安だった
でも、声をかけてくれる先生や友達がいて
少しずつ馴染んでいった
この時、私は3歳だった
当時はまだ働くお母さんは珍しく
私と同じ年の子は他に3人ぐらい
他はみんな、1つ年上の子達だった
今のような保育園ではなく
幼稚園のようなものだった
ここからまた、私にとって
新しいことが始まった