2019年11月12日、フランス、パリ
こんなチャンス二度と来るかも分からん。
そう、ヨーロッパでの虫採りだ。
長い休みをとって遥々来るのだから、ということで頭を下げ、一日だけ虫採りの日を設けてもらうことになったのだ。
その他の観光などそっちのけで、知人に聞いたりネットでブログを調べたりしてポイントを選定することに熱を注ぐ日々。
今回訪れるパリは電車で行ける範囲に森が点在しており、観光ついでの昆虫採集もできそうな感じだ。今回はムードンの森というところを目指すことにした。
さて、パリは11月中旬ともなるとかなり冷え込む。日中の気温は一桁台と、既に関東の真冬並だ。
なので今回はクワガタの材採とオサ掘りを行うことにした。
コガネオサムシを始めとするオサムシ類、パラレリピドゥスオオクワガタ、ヨーロッパコルリクワガタあたりを狙いたい。
セーヌ川を眺めながらベルサイユ方面へと向かう。
すっかり景色は田舎町で、こじんまりとした駅だ。
そして駅から10分も歩けばもう森の入り口だ。
とりあえず適当なところから入ってみたが、すぐに歩道にぶつかった。どこかにきちんとした入り口があるのだろう、犬の散歩やランニングをする人達が見られた。
歩道から逸れて藪に分け入って、早速目についた小さな崖のような場所に手をつけてみた。
すると…
日本と同じように崖掘りをして、オサムシが出てきただけでもう感激!!
紫〜青色に輝く綺麗なオサムシだ。
これは何というオサムシだろうか?
いきなりのヒットに気分を良くして林内を駆け回るが、なかなかオサムシ適した崖や材が見つからない。
しばらく歩き回ったところで、ようやく程よく朽ちた材を発見。
慎重に掘り進めると、黒い塊がぽろっと落ちてきた。
パラレリだ!!!
ヨーロッパオオクワガタとも言われる、正式名称はパラレリピペドゥスオオクワガタというムシだ。
日本で言うとコクワガタくらいの位置付けなのだろうが、それでも異国のクワガタが採れればめっちゃ嬉しい!!
更に材周りの土をほじくっていると…
!!!!
綺麗だ…これが一番見たかった!
これも普通種(関東で言うアオオサくらいか?)なので特別珍しいムシでもないとは思うが、それでも綺麗な虫に変わりはないし、現地で生きた個体を手に取るのは格別な気分だ。
苔剥がしなども有効と聞いたので、その後も虫が潜んでいそうな場所は全て手をつけていくが、どうにも虫の気配が無い。
そして昼の時間になったので、一旦森を出て住宅街へ。
こんな辺鄙なところに来て、昼飯をどうするかなど全く考えていなかったが、森を出てすぐの住宅街の中でレストランを発見、なんとも運が良い。
しかし、いざ入ってみると地元の人しか利用しないような店だったようで、英語も全く通じなかった。
とりあえずメニューがあればスマホの翻訳にかけて…と思ったら、まさかのメニューは手書きの筆記体で全く読み取れなかった。(笑)
とりあえず適当にメニューを指差して出てきたメニューがこちら。
これがどちらもめちゃくちゃ美味かった。
こんな行き当たりばったりも海外旅行の醍醐味である。
さて気を取り直して午後の部。
場所を変えて試みるも渋く、出てくるのは紫色のオサムシばかり…
と思ったが、よく見ると2種類混じっていたようだ。
ぱっと見の色合いも同じだったので全部同じ種かと思ったが、明らかに体型が違うしエリトラの点刻も違うので別種だろう。
結局この後も成果はパッとせず、散々探したあげくオサムシを数頭追加できたのみ。
そして14時頃、雹と雨が降り始めてしまった。
本来ならカッパを着てびしょ濡れになりながらでもやりたいところだが、妻に付き合ってもらっている以上あまり酷いコンディションで続けるわけにはいかない…。
段々と林内も泥濘みはじめ、泥だらけになってしまいそうだったのであえなく撤退することにした…。
この時期のパリは天候が不安定だそうで、滞在中はずっと雨が降ったり止んだりしていた。この日はここまで天気が持っただけでもマシなのだろう。
結果はパラレリ6頭、コガネオサ2頭、紫オサ①4頭、紫オサ②3頭。
ヨーロッパコルリが採れなかったのは心残りだ。
オサムシが思うようにうまくいかず、コルリ材探しまで気が回らなかった。
遠い遠いヨーロッパ、また来ることがあるかは分からないが、今度はヨーロッパミヤマなんかを是非とも見てみたいものだ。