ヒョウモントカゲモドキ
パキスタンやアフガニスタン周辺の乾燥地帯に生息する爬虫類で、レオパードゲッコー(レオパ)と呼ばれることも多い
トカゲの名がつくがトカゲの仲間ではなく、ヤモリに近い生き物である
丈夫で環境適応力が高いため飼育しやすい爬虫類として人気が高い
我が家ではもう16年も一緒に過ごしている
WEB上にある飼育情報の中には疑問符がつくものもあるため、一個人の経験に過ぎないが長期飼育のコツとして参考になれば幸いである
▪️長期飼育のコツ
とにかく構わないこと、これに尽きる
爬虫類は慣れることはあっても犬猫などと違い人間に触られる事を良しとする生き物ではない
飼い始めてすぐは何かと餌をやったりハンドリングをしたりと構いたくなるが、我慢することが大事だ
個人的には短期で死なせてしまう理由の殆どがストレスと餌の与え過ぎだと思っている
こんな風にハンドリングをするのは数ヶ月に1度程度である
特に初心者は数日餌を食わないだけで心配になり、慌てていじくりまわす、これが良くない
彼らの時間軸は我々人間とは全く違うので、餌を食わなかったらゲージを物陰に置いて1〜2週間くらい放っておくくらいでちょうどよいのだ
▪️ゲージ
様々なタイプのゲージが発売されているので好みのものを選べば良いと思う
木登りをするタイプではないのでゲージの高さはあまり必要ない
自分もいくつか試してきたので以下感想と共に紹介する
ガラス製の前開きタイプのゲージ
なんといっても見た目がよく、前開き扉は餌やりもしやすい
ただ欠点としては重く、掃除がしにくい
床材を交換する際も手間取るのと、個人的にはゲージは時々水で丸洗いしたいので、そうした時にかなりやり辛かった
ショップでよく見るやつである
中もよく見えて掃除もやりやすいので使いやすい
欠点があるとすれば小窓がないので、餌やりの時に毎回上蓋をスライドして開けなければいけないことだ
これは置き方次第なのだが、他のゲージと重ねたり並べ置いておく環境だと、世話の際に毎回ケースを動かす必要があり少し煩わしい
現在はこれを使用している
横に小窓があるため、ゲージの上に何か物を置いていても餌やりができるので重宝している
高さは低いが特に問題に感じたことはない
▪️床材
ヤシガラ、砂、ソイル、キッチンペーパー、など様々だが好みのもので良いと思う
日常のメンテナンスとしては糞をしたらその周りの床材も含めて取り除くくらいでよく、床材を丸ごと入れ替えるのは年数回程度
ただ、ペーパーを使っている場合は頻繁に交換しないと臭いが気になるだろう
ペーパーは安いし交換しやすいが、他の床材より排泄物の臭いを吸着する力が弱いようだ
▪️シェルター
ウエットシェルターは必須、必ず入れるようにした方がよい
湿った環境がないと脱皮に失敗してしまう、またザラザラした壁に体を押し付けて脱皮していくため、ウェットシェルターの素焼きの素材が適している
大きさは特別大きい物を用意する必要はなく成体に↑のLサイズであれば十分である
▪️餌
我が家では自家繁殖したデュビアを16年間あげ続けている(画像はあえて載せないが、餌昆虫として本当に優秀なので見た目のハードルさえクリアできればオススメである)
冷凍コオロギやゼリーなどの人工飼料もあるが、やはり生きた昆虫をあげたい
餌の頻度は決まった量を与えるのではなく、よく観察して与えてほしい
飼育温度により食べる量は結構変わる
腹が減っている状態だと、動くものに即座に反応し、目つきを変え、構えるような動きを見せる
基本的にこうならない限りは餌のやり過ぎくらいに思った方が良いと思う
餌を目の前でちらつかせて、"ん?餌…?まぁ食うか"みたいなゆったりとした反応な時はそこでストップするべき
そして拒食をしたら思い切って1〜2週間放置した方がいい
彼らの時間軸は我々とは大きく違う、3日も餌を食べてなくて…などと言い無理やり給餌させようとする人がいるがそういうことをするからストレスになるのだ
彼らは過酷な乾燥地帯に生息しており、1ヶ月程度何も食べなくても平気で生きていけるような生き物なのである
▪️尻尾について
レオパは尻尾に栄養を貯める生き物であり、健康状態のサインとして尻尾の太さが指標となると言われている
が、飼育下の個体の尻尾は基本的に十分すぎるくらい肥えている
以下のサイトに野生個体と思われる写真がいくつかあるが、多くの飼育下の個体より尻尾はだいぶほっそりしている
自分も沖縄本島で野生のトカゲモドキを観察したことがあるが、尻尾の太さはこんなものであった
このあたりも意識して餌やりを意識をしたい
流石に拒食状態が続き、尻尾もこれより痩せ細っていたら病気を疑った方が良いが、尻尾がプリプリで拒食などするならそれはもう放っておく案件である
▪️飼育温度
過酷な環境に耐性がある生き物のため、温度変化には比較的強いと思う
夏場は30度くらいの室温でも元気に過ごしている
冬はパネルヒーターでの加温をした方がよい
ヒョウモントカゲモドキは冬眠をするらしく、繁殖させるには冬眠が必要なようだ
しかし冬眠は体への負担も大きいため、特に繁殖が目的ではないなら冬場は加温して飼育するのが良いだろう(我が家では冬眠させたことはない)
ゲージのサイズヒーター合わせたヒーターを選び、3/1〜半分くらいにヒーターが当たるように設置するとよい
必ずゲージ内に温度勾配のある環境ができるよう意識したい
意外にも冬場でもヒーターの当たらない場所でじっとしていることも多いため、その時々で体温調節をしているようだ