週末虫採り手帳

週末虫採り手帳

とある社会人虫屋の生態の記録
クワガタ、オサムシ、その他ミーハー昆虫の採集記がメインです
最近は釣りにハマっているので、釣りもしながら各地でゆるく採集しています
爬虫類とかも飼ってます

前回はこちら

飼育方法は別記事でまとめました


2024年6月3日


前回の更新から約1年…ようやく3回目の脱皮だ

運良く脱皮の最中を見ることができた




もう1匹の脱皮は前回同様もう少し先かな

前回も1〜2週間差くらいで脱皮したので、同じくらいだろう


飼育環境はとしては、春〜秋は室温で冬のみワインセラーで管理といった感じ

エアコンの入らない部屋のため夏場は常に30℃くらいで、冬場は冷え込みが続くとワインセラーで保温していても20℃程度まで落ちてしまう環境である


しかし思っていたよりも成長が遅い

次の脱皮までまた1年近くかかるのだろうか?


2025年9月1日


ようやく4回目の脱皮だ

今年はちょうどよい大きさのデュビアが用意できない状況が続いてしまい、十分な餌やりができていなかった

案の定昨年脱皮をした6月頃になっても脱皮する気配がなかったため、そこから頑張って公園などでコオロギを採ってきては与えてきたところ、なんとか夏が終わる前に脱皮させることができた

今回はあまり大きくなっていない気がする…


もう1匹もかなり膨れているので、もう少し経ったら脱皮するだろう

やはりエサを常にあげていれば早く成長するのだろうか?遅れを取り戻すべく秋以降も餌採りに励まねば…


2025年10月24日


もう1匹の方は残念ながら死んでしまった…

前回の更新の少し後から餌を食べなくなったので脱皮だろうと思っていたのだが、一向に脱皮する気配がなく、日を追うごとに痩せてゆき力尽きてしまった…

原因は餌不足だろうか?

この1年は十分に餌をやれるように注意したい

ローズヘアタランチュラ(チリアンコモン)

名前の通り南米(チリ、アルゼンチン)を原産地とするタランチュラである


以前はペット用タランチュラとしてかなり安価に流通していたが、最近は輸入規制が変わったようであまり入らなくなったそうだ

正確な購入時期はもう忘れてしまったのだが、我が家ではもう15年くらい生きている
数あるペットの中でもダントツで強い生き物であると思う
このタランチュラに関しては正直褒められたものではない飼い方をしているのだが、結果として長期飼育ができているため正直お伝えしたいと思う

▪️長期飼育のコツ
とにかく放置、餌やりは年数回、加温も冷房もしない

…これはコツなのか?
生き物を飼う者としてあるまじき内容であるが、これが事実なのだからしょうがない
このタランチュラ、逆にどうやったら死ぬんだ?というくらいあらゆる状況に強いのである

飼い始めの頃は1〜2週間おきにデュビアをあげていたのだが、割とすぐに拒食に入った
その後も食べたと思ったらまた拒食…というのが続き、面倒になって世話を放棄した時期があったのだ
何ヶ月も餌をやらないまま冬を迎え、加温も加湿せず棚の奥に放置、水もあげていなかったと思う
翌年暖かくなった頃思い出したように様子を見ると普通に生きており、元気に餌を食べたのでとても驚いた
もともとの生息地が砂漠地帯という極限に近い環境であるためだとは思うがそれにしてもである、本当に不思議な生き物だ

ちなみにタランチュラ類全般に言えるのだが、長生きするのはメスだけである
オスはもともと短命なのでこの限りではないことを留意していただきたい

▪️飼育環境
カブトムシなどを飼育するプラケで問題ない
広さも必要ないと思う

床材はヤシガラ、カブトムシやクワガタ用のマット、ソイルやサンドなどなんでもよい

夏も冬も室温で管理している(12℃〜30℃)

本種は乾燥した環境に適応しているようなので、加湿も不要

これは床材を交換した直後の写真だが、すぐに巣を張って糸まみれになる


▪️餌
我が家ではデュビアの成虫を1回につき1匹あげている
頻度は暖かい時期は月1〜2回程度、適当に思い出した時に与えている
冬場は全くあげていない
特に加温はしないので餌やりの時期はだいたい部屋が暖かくなる5〜10月あたりに限られる

なので年数回しか餌やりをしていない

かわいそうだと思うかもしれないが、食べない時は全然食べないのだ
元々こういうペースで生活している生き物なんだと、そのうち思うようになった

食い気がある時はゲージ内に餌を落とすと振動を感知して即座に反応し抱え込みにいくが、そうでない時は全く反応しない

▪️水
水は飲むので必要

が、数ヶ月水を切らしても普通に耐える

水容器は適当なものを入れておこう
カラカラになった容器に水を注ぐと割とすぐに寄ってきて、飲むところを観察できる
なので可能なら水は常にある状態にしておいた方が良いと思う
水がなくても耐える生き物ではあるが…これを読んでいる方はちゃんとあげてくださいね(自戒の念



ヒョウモントカゲモドキ


パキスタンやアフガニスタン周辺の乾燥地帯に生息する爬虫類で、レオパードゲッコー(レオパ)と呼ばれることも多い

トカゲの名がつくがトカゲの仲間ではなく、ヤモリに近い生き物である

丈夫で環境適応力が高いため飼育しやすい爬虫類として人気が高い

我が家ではもう16年も一緒に過ごしている

WEB上にある飼育情報の中には疑問符がつくものもあるため、一個人の経験に過ぎないが長期飼育のコツとして参考になれば幸いである


▪️長期飼育のコツ

とにかく構わないこと、これに尽きる

爬虫類は慣れることはあっても犬猫などと違い人間に触られる事を良しとする生き物ではない

飼い始めてすぐは何かと餌をやったりハンドリングをしたりと構いたくなるが、我慢することが大事だ

個人的には短期で死なせてしまう理由の殆どがストレスと餌の与え過ぎだと思っている

こんな風にハンドリングをするのは数ヶ月に1度程度である


特に初心者は数日餌を食わないだけで心配になり、慌てていじくりまわす、これが良くない

彼らの時間軸は我々人間とは全く違うので、餌を食わなかったらゲージを物陰に置いて1〜2週間くらい放っておくくらいでちょうどよいのだ


▪️ゲージ

様々なタイプのゲージが発売されているので好みのものを選べば良いと思う

木登りをするタイプではないのでゲージの高さはあまり必要ない

自分もいくつか試してきたので以下感想と共に紹介する

ガラス製の前開きタイプのゲージ

なんといっても見た目がよく、前開き扉は餌やりもしやすい

ただ欠点としては重く、掃除がしにくい

床材を交換する際も手間取るのと、個人的にはゲージは時々水で丸洗いしたいので、そうした時にかなりやり辛かった


ショップでよく見るやつである

中もよく見えて掃除もやりやすいので使いやすい

欠点があるとすれば小窓がないので、餌やりの時に毎回上蓋をスライドして開けなければいけないことだ

これは置き方次第なのだが、他のゲージと重ねたり並べ置いておく環境だと、世話の際に毎回ケースを動かす必要があり少し煩わしい

現在はこれを使用している

横に小窓があるため、ゲージの上に何か物を置いていても餌やりができるので重宝している

高さは低いが特に問題に感じたことはない


▪️床材

ヤシガラ、砂、ソイル、キッチンペーパー、など様々だが好みのもので良いと思う

日常のメンテナンスとしては糞をしたらその周りの床材も含めて取り除くくらいでよく、床材を丸ごと入れ替えるのは年数回程度


ただ、ペーパーを使っている場合は頻繁に交換しないと臭いが気になるだろう

ペーパーは安いし交換しやすいが、他の床材より排泄物の臭いを吸着する力が弱いようだ


▪️シェルター

ウエットシェルターは必須、必ず入れるようにした方がよい

湿った環境がないと脱皮に失敗してしまう、またザラザラした壁に体を押し付けて脱皮していくため、ウェットシェルターの素焼きの素材が適している

大きさは特別大きい物を用意する必要はなく成体に↑のLサイズであれば十分である


▪️餌

我が家では自家繁殖したデュビアを16年間あげ続けている(画像はあえて載せないが、餌昆虫として本当に優秀なので見た目のハードルさえクリアできればオススメである)

冷凍コオロギやゼリーなどの人工飼料もあるが、やはり生きた昆虫をあげたい


餌の頻度は決まった量を与えるのではなく、よく観察して与えてほしい


飼育温度により食べる量は結構変わる

腹が減っている状態だと、動くものに即座に反応し、目つきを変え、構えるような動きを見せる


基本的にこうならない限りは餌のやり過ぎくらいに思った方が良いと思う

餌を目の前でちらつかせて、"ん?餌…?まぁ食うか"みたいなゆったりとした反応な時はそこでストップするべき

そして拒食をしたら思い切って1〜2週間放置した方がいい

彼らの時間軸は我々とは大きく違う、3日も餌を食べてなくて…などと言い無理やり給餌させようとする人がいるがそういうことをするからストレスになるのだ

彼らは過酷な乾燥地帯に生息しており、1ヶ月程度何も食べなくても平気で生きていけるような生き物なのである


▪️尻尾について

レオパは尻尾に栄養を貯める生き物であり、健康状態のサインとして尻尾の太さが指標となると言われている

が、飼育下の個体の尻尾は基本的に十分すぎるくらい肥えている


以下のサイトに野生個体と思われる写真がいくつかあるが、多くの飼育下の個体より尻尾はだいぶほっそりしている

自分も沖縄本島で野生のトカゲモドキを観察したことがあるが、尻尾の太さはこんなものであった


このあたりも意識して餌やりを意識をしたい

流石に拒食状態が続き、尻尾もこれより痩せ細っていたら病気を疑った方が良いが、尻尾がプリプリで拒食などするならそれはもう放っておく案件である


▪️飼育温度

過酷な環境に耐性がある生き物のため、温度変化には比較的強いと思う

夏場は30度くらいの室温でも元気に過ごしている

冬はパネルヒーターでの加温をした方がよい

ヒョウモントカゲモドキは冬眠をするらしく、繁殖させるには冬眠が必要なようだ

しかし冬眠は体への負担も大きいため、特に繁殖が目的ではないなら冬場は加温して飼育するのが良いだろう(我が家では冬眠させたことはない)


ゲージのサイズヒーター合わせたヒーターを選び、3/1〜半分くらいにヒーターが当たるように設置するとよい

必ずゲージ内に温度勾配のある環境ができるよう意識したい

意外にも冬場でもヒーターの当たらない場所でじっとしていることも多いため、その時々で体温調節をしているようだ