「日本初の女性総理」の誕生に対して、私はどこかでかすかな期待を抱いていた。少なくとも、ジェンダー問題の改善には何らかの進展があるのではないかと。もちろん、外交路線や積極財政に関しては見直すべきだという立場ではあったが、変化への期待はゼロではなかった。

しかし、その淡い期待は完全に打ち砕かれた。現在の高市政権には、もはや期待できる要素が何一つ見当たらない。そう断言せざるを得ない理由は、大きく分けて3つある。

被災者に寄り添わない「パフォーマンス優先」の防災対応

8月3日に熊本地震の被災地を視察した際、彼女が行ったのはSNS等で自らの行動を宣伝・アピールすることだけだった。実際の災害対策は内閣府防災担当に丸投げで、具体的な新機軸や実効性のある支援策は提示されていない。さらに千葉での豪雨被害にいたっては、記者会見すら開かれなかった。被災された方々の痛みに思いを馳せることがない、冷淡な姿勢が透けて見えた。

「日本売り」の加速と、収まらない物価高の波

経済政策の迷走も深刻だ。先日、約28年ぶりとなる日米協調の円買い介入を実施し、一時163円台から155円台まで円高に振れたものの、効果は長続きせず再び159円台半ばへと戻っている。市場は円買い介入に対する様子見である。

市場が冷ややかなのは当然だ。財源に不安を残す消費税減税、具体性を欠く成長戦略、そして積極財政への不信感から、世界で「日本売り」が進んでいる。この構造的課題を解決できない限り、国民生活を苦しめる物価高の波が収まることはない。

不注意な発言が生んだ「外交の機能不全」と近隣国包囲網

さらに致命的なのが外交問題だ。不注意な発言によって日中関係を不必要に悪化させただけでなく、プーチン大統領の択捉島訪問など、日本を取り巻く安全保障環境は悪化している。結果として「中国・ロシア・北朝鮮」の連携強化という悪夢のような包囲網を自ら招き寄せてしまった。この外交不全は日本のサプライチェーンにも深刻な影響を及ぼしており、「強い経済の実現」など程遠いのが現状だ。

 

政権運営の粗さと人間としての冷淡さが浮き彫りである。防災の軽視、物価高の放置、そして外交失策(ICCを含む)。これだけの問題が山積している現状を見れば、もはや自ら退陣を選択してもらうほかないのではないか?そう強く感じている。