神麗 魂の 導き神

 宇宙総帥アリヒト



メラメラメラメラ今回もご訪問くださりありがとうございます。





・・・殺された理由を聞く事にした。

続き

「あう、あう、ああっ、うわっー・・・あっ、あぁー、ふぅ~ふぅ~・・・やっと、ああっ!首が、首が、ああっ、やっと、やっと・・・やっととれた・・・?」

「取れたか?」

縄が取れたか、と訊くと安堵したのか、荒い息遣いで、

「やや、やっと・・・ああっ、ハァ~ハァ~ハァ~・・・はっ、外れました」

と云う。

「そうか、よかったなぁ~、では少し休憩をさせてやる。その後首を締められた訳を聞くから全て話すがいい」

「ああっ、分かりました。少し休ませて・・・」

「よし、分かった」

と云うことで、首を絞め殺され苦しんでいた怨霊をしばし休ませる事にした。

そして、

「おい、どうだ、少しは楽になったか?」

と訊く。

すると、

「ああっ、もう少しお待ちくださいませ・・・」

と云う。

余程苦しかったのだろう。

それは、そうだ、死ぬまで首を絞められていたのだから。

「そうか、まだ苦しいか、ではもう少し待ってやる」

「あっ、ははい・・・」

今回、お母さんが危惧する通り、ご子息は前世で一人の人間を殺していた。

この殺された霊が怨霊となりとり憑いていたのだ。

これから、この怨霊に殺害された仕返し、復讐はどのようにやっているのか、を問い質してみよう。

とお母さんが、

「息子が何時も首が痛いというのですよ」

と、そこで、少年の首の辺をマッサージすると、

『ああっ、気持ちがいい~』

と喜ぶ。

怨霊の痛み、苦しみが、そのままとり憑かれた人間にも伝わっていた、いい実例でもある。

さて、もう大分休憩を取ったから少しは落ち着いた頃だろう、また呼び出すとしよう。

「おい、どうだ?」

と訊く、と

「だ、大分楽になりました」

「では、これから我の聞くことに応えられるか?」

「な、なんでもお応え致しますが、あ、あなた様どなた様でございましょうか?お名前だけでもお聞かせ願えないでしょうか」

「お前が我の名前を聞いたところで分かることはない」

「そ、そのような冷たい事を云わずに、どうぞお名前をお聞かせくださいませ」

「では、良く覚えておくがいい、我は宇宙総帥アリヒトというものだ」

「う、うちゅうそうすいアリヒト・・・うーん?どちらのお生まれの方でしょうか」

「生まれなど、お前に云っても分からないのじゃ」

「さ、さようでございますか」

「お前はしつこいぞ!」

「いえっ、わわ、分かりました。あまり色々聞くのも大変失礼だと存じましたが、こんな凄い方が世の中に居られるのかと想いまして、わ、わたしくるしくて、苦しくて、こ、こっちに来ておりますもんですから、私のこの首に巻きついている縄を取れる人など居ないと想っておりましたところ、ああ、あなた様のような方がお見えになり、は、ハズして頂けましたので、ど、どちらからお見えになったのかと・・・大変失礼な事を申しました」

「ところで、お前の頭の上を見るがいい」

「あ、あたまのうえ?あっ、ここ、これがもう眩しくて、さ、さっきカミナリが私の頭の上に落ちまして、こ、この光はなんでしょうか?」

「それが我じゃ」

「ああっ、それではあなた様は、かか、カミサマでございますか?」

「さようじゃ」

「ああっ、お見逸れ致しました。たた、大変申し訳ございません」

「よし、分かればいい。これから聴く事に素直に応えるがいい、分かったか。顔を真っ直ぐ向けるがいい」

「か、顔などそんな、顔など上げるものではございません。あなた様のお姿をみるだけで震えて、震えが止まりませんから」

「そうか、ならばしょうがないなぁ、震えながらでもいいから聞くがいい。まず、お前は前世では何をしていたのだ」

「わ、わたしは、百姓でございます」

「百姓だったのか」

「さ、さようでございます」

「この、只野オトコは何をしていたのだ」

「こ、この男は何とも云えん、たちの悪い侍ゴロとでも云うんですか、ヤクザごろとでも云うんですか、もう着流しで刀を下げて町中を暴れまわっていたものです」

「なに、では侍かヤクザか分からないのか?」

「いやー、私たち百姓は、そんなものが居るところに寄り付く事はないのですが、ま、たまたまその時は、私らの村長と言ったら分かりますか」

「おう、名主と同じようなものだろう」

「さ、さようで・・・名主は庄屋様でございます。その方のお嬢さんの結婚式で私ら部族のものが一様お呼ばれになってお酒を頂いたのでございます。そ、その時に村長様が『お前たちはお町にお酒呑みに逝った事がないだろうから、今日はお祝いだから、お前たちを皆連れていって飲ましてやるから来なさい』


次回続く