
・・・三女に乗り移ってからはそのような動きは全くない。
続き
やはり、私の中に入れるのと、三女に乗り移った時とでは動きに違いが出ると言う事なのだろうか。
時々、私の中に入っている念を呼び出し、化け物の疲労状態を確かめている。
が、その時、私の口から”ウオー”と叫び声をあげて出てきた。
すると、同じように三女の方も”ウオー”と云う声を出している。
そのようなところは、私と三女は共鳴しているのだろう。
が、それ以外はあまり共通した動きはない。
少しでも早く化け物を倒そうと、頭上で両手を組み、私の中にいるモノに対し強力な念を発し、痛め続け4時間が経過した。
この間、固唾を呑んで見守っているご家族の方の心境は如何ばかりか。
決して弱った素振りは見せようとしない化け物と化したものを目の当たりにして。
はじめて見る方には、この化け物との何時果てるともしれない戦いに終わりが来るのだろうか?
と不安視しているのではないだろうか。
だが、さすがに化け物も4時間過ぎた頃にはゲンナリしてきた。
そこで、
「どうだ、もう出るか?」
との問いかけに、
「・・・もう出ます・・・・」
と、弱弱しい声に変わった。
そこで、
「背中を3回押すから出るが良い」
と教え、頭と肩を持ち遠心力をつけるようにして、1,2,3!と3回前後に振る。
が出ない。
更に、もう一度やるが出ない。
また騙されたのだ。
昨日に続き2回目だ。
化け物となった霊は、心から化け物と化してしまったのだ。
首吊り自殺の死後、20数年の時の経過と共に悪霊から化け物へと変化してしまったのだろう。
地獄に落とされた霊はもともと悪い奴らであろうから仕方がない。
が自殺したものまでが悪霊になってしまうとは。
出たくないなら出ないでよい!
ならば破壊しかない!
と決める。
そして、その数十分後には有無も言わさず化け物と化した悪霊を破壊した。
20数年間女性の心を乗っ取り、凌駕して化け物と化した霊も遂に終わったのだ。
もう二度と人間にとり憑く事は出来ない。
破壊された化け物のその後は、と言えば消えて無くなった訳ではないのだ。
纏わり憑いていた人の魂から、ポトリと落ち、その場から身動きできない状態となる。
人間で言えば寝たきり状態だ。
意識はあり、人間は視えるが身動きは未来永劫、朽ち果ててしまうまでできない。
いずれ、枯れ木のごとく果てて無くなるだけだ。
この化け物との壮絶な戦いを一部始終カメラに収めていた次女は愛知県に居る姉に早速電話し終了を伝えた。
そして収めた映像を送るという。
また、この化け物を倒すのに姉に代わって体に乗り移らせていた妹さんには敬服する。
二日続けての大立ち回りをしたのだから。
その後、お姉さんからお礼の電話があり、これまでの苦労を涙ながらに話されていた。
だが、今回のような化け物に限らず、もっと強い激しい化け物にとり憑かれ苦労されている方々は日本中に数多く居られるものと思う。
そのような方々も諦めずに頑張って欲しい。
いずれ、私との出会いもあるやも知れない。
また、今後私もどのような化け物と出会っても怯む事なく戦うだろう。
缶ビール片手に、それが人間界に降臨したものの使命なら。
しかし疲れた。
昨日は17時から23時、今回は10時から23時。精も根も尽きた、とはこの事だろう。
この仕事も体力勝負か?
完
この記事を記載した当時は、まだまだ未熟であった。
その為、今回の化け物と化した霊も、前世の因縁、怨霊だったと知らなかった。
だから、これ程手こずったのだ。
当時は、霊的世界について知らないことばかりだった。
それに、今だからわかる事だが、悪霊だけが地獄に落ちるのではなく、怨霊にとり憑かれている魂も、いずれ地獄に落ちる。
故に、魂が地獄に落ちるのは、悪霊となったからではない。
今回も、最後までお読み頂きありがとうございました。