神麗 魂の 導き神

 宇宙総帥アリヒト



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・・・手で払いのけるような素振りをする。

続き

このように激しい口調でやりとりをする場面を身近で見ていたお姉さんは

『説得しているのですか?』

と怪訝そうに聴く。

が、いや遊んでやっているのですよ。

と軽くいなす。

が、傍で見ている人にはこの状況で説得をしているようにでもみえたのだろうか?

”虫を喰え!”

と言ったのは、地獄に落とされたものはウジ虫を常食としているからだ。

と云うよりウジ虫しか口に入れる物が無いからである。

このような化け物に限らず、私は霊体に命令はしても説得などする事はない。

そして、私の中に呼び込んでいるバケモノの意識にも、ただひたすら鏡に映る自分の顔に向けエネルギーの照射を続けていたのだ。

が傍目には分かる事はなかった。

この時は戦い始めて既に3時間ほど経過していたのだ。

が、まだ大声で喚いたり忙しく徘徊を繰り返している。

まるで、檻の中の熊と変わらないような動きをしているのだ。

実際には相当弱っているはずだが、このような類は弱みをみせる事は絶対と云っても過言ではないほどない。

今回の化け物に限らず、どのような霊でも完全に倒れるまでは平然として自分の弱ったスガタを見せないのが特徴だ。

どんなに強いエネルギーを照射しても

「まったく効いてないよ?」

と云うような素振りをするのだ。

たとえ倒れる寸前でも、その態度は変わらない。
 
しかし、時間の経過と共にジワリジワリとエネルギーの照射が効いてきたのだ。

化け物の疲れ、衰えが目に見えて顕著になってきた。

それでも弱ねは吐かない。

不敵にも、ウワッハハハッと大声で笑い、顔を突きつけ挑発している。

だが、その一つ一つの動作が緩慢になってきた。

疲れているのだ。

すでに4時間はゆうに越えている。

もう、そろそろ限界だろう。

ふてぶてしく笑いながら何時しか床にベッタリと寝そべっている。

寝そべるとは言っても、まだ臨戦態勢を完全に解いた訳ではない。

その証拠にベッタリはしているが背中を丸めて横になっているのだ。

これが、背中や足をだらしなく伸ばした状態になると完全にグロッキーになったと認められるのだ。

が、いまの処そこまでには至ってはいない。

「おい、地獄の化け物そろそろ出るか!」

と云う。

と、力なく頷き、温和になられたご相談者ご自身の口からも、

「もうでるよ・・・」

と言葉を吐く。

そこで、

「間違いなく出るのか!」

と念を押す。

と間違いなく出る、という。

これまでの激しい口調が嘘のようである。

がこの時は”出る”と云う言葉をまにうけご相談者の体から押し出す方法を考える。

次回続く