今回もご訪問くださりありがとうございます。
・・・いよいよ私の本領を発揮する時が来た。
続き
ご相談者の心を覆い尽くしているであろう化け物を早速私の中に呼び込む。
呼び込む、とは言っても本体ではなく、化け物の念を、と云う事だ。
だから、ご相談者から離れると云う訳ではない。
そして、私の中に呼び込んだ化け物に
『お前はナニモノだ!!』
と問う。
しかし、何も返答はない。
がご相談者があげる雄叫びと同じような奇声を、私の口からも発する。
それは、突然の事で自制の仕様がなかった。
そうこうしているとご相談者の実父も駆けつける。
そこで、夫と実父が、ご相談者が外に出ないように周りを囲むように座る。
すると、私の傍に来て、フ~ウッ!と息を吹きかけ醜く変貌した顔で威嚇する。
かと思うと、次は旦那さんのところや父親の元に行く。
そして、犬や猫が頭を擦り寄せ甘えるような仕草をする。
そこで、為すすべもなく、ただ固まっているだけの父親と夫の手を交互に握ったり触ったりしている。
だからと云って、お二人が手を払いのけるわけではない。
ただ、同じようにしかめっ面はしている。
が、内心は、お二人ともこの後の成り行きを微妙にお考えになられている事が眉間の皺に表れている。
そして、再び四つんばいになり顔を突き出し、前回と同じように威嚇するかのように私の下にやってくるのだ。
その、何とも言い難い形相に変化した顔に、私の両手を近づける。
と、嫌なものを鼻先に押し付けられた動物のように顔を背け咆哮しながら後ずさりをする。
両手から出るエネルギーに”イヤイヤ”をするように。
そして、旦那さんの座っている傍に忍び寄り顔を近づけては、また私の下に来る。
まるで怖いもの見たさでもしているように。
ご主人の下に近寄った時には、ご相談者の魂が”助けてー!”と救いを求め縋っているようにも見える。
「こら!お前は何ものだ?お前は地獄から来たものか!!?」
と思わず叫ぶ。
あまりにも激しい動きをすることから、その辺に居るような霊ではないと確信し、つい地獄と云う言葉が口をついて出てしまったのだ。
この地獄と云う言葉は、以前地獄から逃げてきた、と云う悪霊の動きに大変良く似ていたためだ。
そして、化け物と化したご相談者は、徘徊しながら窓に掛かる、閉じたカーテンの下にしきりに近づこうとする。
それは、部屋の中央は蛍光灯の光で明々としているため、少しでも薄暗いところに逃げ込もうとしているように。
窓は、隣の建物の影響で影になっているため日が当たらない。
私は、この化け物をどのようにして倒すか、を考えた末、一番早く倒せる方法でやる事にした。
それは、私の中に化け物を呼び込む事なのだ。
そして、私の両手から出すエネルギーを自分に向けて照射する。
その方法として、鏡の前に立ち、両手人差し指と親指を三角形になるように頭上で組、その組んだ両手から鏡に映る自分の姿に対しエネルギーを発する。
すると、発したエネルギーが自分に返ってくる。
反射してくると云う事は、私の中に入っている霊体にエネルギーを照射しているのと同じ効果を生む。
一回の照射で、私の頭がガクガクッと後ろに反る。
簡単に言えば、両手で額をドーンと突かれたような衝撃を受けるのだ。
それを相手(霊体)が弱るか、或いは破壊されるまでやり続ける。
これは、大変な体力勝負になるのだ。
が、普通の霊体ならば僅か1時間から長くて2時間もすれば弱り除霊は完成する。
万一除霊が出来なくとも(万一とは怨霊等の強い霊)最終的には破壊するという手もある。
この破壊にようする時間は2,3時間。
今回の化け物も最終的には破壊したのだが、ようした時間は約5時間。
これほど強い霊とは滅多に合う事はない。
故に、化け物と云われる所以だ。
この化け物と戦っている最中にご相談者の5つ上の姉がご心配してお見えになられた。
この姉が見ている前で、私は化け物に向かって平然と
「お前は地獄に戻すぞ!」
と嘯(うそぶ)く。
すると、更に恫喝したり、”水、水をくれ”と化け物は云う。
と
「お前の足に付いている虫(ヒルのような物)を喰え!」
等と言い返す。
水を要求すると云う事は、かなり弱っている証拠でもある。
すると、口を歪め顔を背け、足に付いている虫を手で払いのけるような素振りをする。
次回続く