神麗 魂の 導き神

 宇宙総帥アリヒト



メラメラメラメラ今回もご訪問くださりありがとうございます。



・・・上記はご相談者の悲痛な心の叫び!

続き

「分かってくれる人でなければ心を開けなくて」

とここまで話し、

突然、ハァハァハァーとご相談者の呼吸があらくなる。

「先生にお会いして導かれるように・・・・なんか・・・・ハァー先生お願い~」

「もう、大丈夫ですよ」

と云ってなだめる。

すると、

「ウァーン、アン、アンアンッ・・・」

と、突然大泣きを始める。

「先生・・・・」

と云って、再び

「ウァーン、うぁーん、うわーん・・・・」

と激しさは増す。
 
そして、ひとしきり大泣きすると、

今度は、ウワッハッハハァーと大声で笑い出した。
 
ご相談者と、とり憑いているものが入れ替わり正体を現したのだ。
 
当相談室は入口も含め約10坪程。

入口のドアの先にヒスイで山や鳥などが装飾された台湾製の衝立があり、その衝立の奧に応接セットが備わっている。

調度品といえば此れだけだ。

この狭い空間を忙(せわ)しなく縫うように這いずり回るご相談者。
 
這いずり回りながら呻き声をあげ挑発するかの如く、私の鼻先に乗っ取られたご相談者の顔を近づける。
 
そして

”ウォー、ウォーッ!”

と激しい雄たけびをあげたかと思うと、次はウワッハッハッハァと狂ったように大声で笑う。

私はこの常軌を逸した行動に戸惑いを隠せない。

なぜなら、

もし、私にこの化け物が飛びついてきたらどうする?

相手は女性だ。

体に触れるわけにはいかないからだ。

・・・困った。

と思案している最中、タイミングよくご相談者の携帯が鳴る。

ああ、良かった、と一瞬安堵する。

このままでは、外に出て誰かに助けを呼ぶしかない、とまで思っていたやさきだ。

この救いの音は、突然家から居なくなったご相談者を案じた旦那さんからの連絡だ。

すると、大声でわめいていたご相談者が一瞬我に返ったのかバッグに収めていた携帯を取りだした。

すかさず、私はその携帯を奪い取り、旦那さんと思われる方に至急来られたし!

と急を告げ居場所を教える。

その間もご相談者の意識は化け物に乗っ取られており、大声で喚きちらし部屋中を徘徊している。

今の私には、もはや為す術もない。

思うのは、ご主人がおみえにるまでの間、部屋から飛び出させないようにしていなければ、と願うばかり。

だが、数十分も過ぎた頃にはご主人がお見えになられた。

”助かった!”

と安堵するのもつかの間、さらに雄叫びをあげ大声で威嚇する。

そして、首を上下に激しくフリながら私に迫って来る。

この、傍若無人に暴れているものを少しでも早く倒さなければ、と気だけがあせる。

これから本当の戦いに入るのだ。

この後、数時間に及ぶ戦が繰り広げられるとはこの時は思いもよらなかった。

 ”ウワァー、ギャァー、ウギャーァ”

と、はちきれんばかりに耳をつんざく雄叫び。

そして、怒号の中、いよいよ私の本領を発揮する時が来た。

次回続く