今回もご訪問くださりありがとうございます。
・・・と分かるわけがない。
続き
と矢継ぎ早に追求していると
「うるせっ~!うるせーのうー」
と、たまらず怨霊が答えた。
「うるさいか?お前はなぜとり憑いているのだ?」
とさらに追求する。
と
「うるさいのう~耳元でさわぐな!ウルセー」
と
激しく正体を追求される事に
「ところでおまえはナニモノか?ナをなのれ!ナをなのれよーっ」
名前を教えろ、と怨霊が怒る。
「なに!我の名前を聞くとお前は今後何も喋れなくなるぞ」
「うーん、さようか、ならばなのってみるがよい。よーくきいてやる」
と私の名前を明かすように要求してきた。
御大層な怨霊だ。
「我の名は宇宙総帥儿坂啓二と云うものじゃー」
「うーん、ウチュー・・・ソウスイ・・・なんじゃそれ?」
「なんじゃそれ?とはわかぬらのか!」
怨霊にウチュウなど云っても分かるわけがない。
「ウーン・・・なにか聞いたような気がするが・・・うーん思いだせんのうー」
未来永劫思い出す事はない。
「ではもう一度名乗ってやる。宇宙総帥八坂啓二だぁ!!」
「ウチュウ・ソウ・ス・イ・・・うちゅ・・う・・・ウ~ン、どこかで聞いたような名前じゃが・・・うーん、もも、もしかしたら、うう上に居られる方ですか?」
「さようじゃー、だが今は人間界に降臨しているのじゃー」
「うちゅうそうすい様と云えば神様ではございませんか?なんでまた、ナンデその様なお偉い方が・・・私をお呼びになったのでしょうか?」
「そなたを呼んだのではない。お前がとり憑いているモノを呼んだらそなたが出てきたのじゃ」
「えーなんとも申し訳ありません・・・本当に神様でしょうか?」
「神に視えるか、人間に視えるか?そなたは人間と喋れるのか?」
「さようで御座いますね・・・神様以外喋れないでしょうね・・・人間は私達と出合うことも話すこともできないでしょうね」
「今から我の聞く事に全て答えるが良い」
「はははー、かしこまりました・・・何でもお答えいたします・・・どうぞどの様な事でもかまいません・・・お聞きなさってくださいませ」
「では、ワタリは前世で何をしていたのだ」
「ワタリは学者だったのです・・・大変頭の良い口うるさい学者先生だったのです」
「なに、前世は学者だったのか。ではそなたは何をしていたのだ」
「私は侍でした・・・私の息子をこのワタリに預けていたのです」
次回続く