今回は京の都にお住いの40代の女性の方である。



この方は、私のHPを見た、と云うことで、お電話をいただいたのである。



故に、今回のご相談者の方からも、どこが悪いなどと云うことは一切何もお聞きしていない。



これも、最近ではいつもの事となっている。



で電話除霊の方法を一通りご説明し早々と除霊に入ることとなった。



いつものように、私の声が古都、京都にまで届いているのか、を確認をする。



と、良く聞こえています、と京訛りの奥ゆかしいお声が耳に優しく入ってきた。



とそのお声の余韻に浸る間もなく除霊に入ることとなった。



ご相談者にとり憑いている前世の因縁を私の中に呼び込むにはご相談者のお名前を呼ぶことからだ。



では、ご相談者のお名前を呼び、ご相談者に憑いている前世の因縁を私の中に呼び込むとするか。



そして、詳細に前世でのことを訊きご相談者の胸に刺さる棘を抜く。



「深山麗華(仮名)入って来い!」



と呼ぶと、既に入っていたかの如し私の首を左に振る。



「お前は深山麗華か?違うようだな。返事もできないのか?お前、返事をしないととり憑くぞ!」



と矢継ぎ早に、そして脅す。



しかし、不思議なのは怨霊に、とり憑くと云うと必ず返事をすることだ。



それだけ、とり憑くと云う言葉には、なぜか敏感なのだ。



それも、自分たちがとり憑く側の癖にして、だ。



「ととと、とり憑く????ななな、なんなんですか?とと、とり憑くちゅうのは」



案の定、このように異常なほどのうろたえ方をするのだ。



「お前は深山麗華にとり憑いているのだろう。だから、今度は我がお前にとり憑いてやろうと思ってなー」



「ややや、やめてください。気持ちが悪い!わ、私もう、とり憑かれるのが一番イヤなんです」



「だったら、お前は我の云うことを訊け!分かったか」



「あ、あなたどなた様でございますか?」



「我れはな~幽霊じゃー」



「幽霊????やや、やめてやめて、背中が背中が痒い、きき、きもちがわるいauauauauauauああ、あなた様、本当に幽霊様でございますか?」



幽霊様ときた、が。




「我は神じゃー!」



「ヒエー!!!カ、カミサマでございますか?ま、まさかホントの神様で?????ホントの神様ではございませんでしょうねー」



「何でもいいから、お前に訊くことに対して全てホントのことを話せばいいのだ。そーすれば許してやる。お前が一言でも嘘を云ったらホントにとり憑くぞ」



「やめてくださいやめください!そ、そんな怖いこと!分かりました分かりました。あなた様どなた様か分かりませんが、気持ちが悪くて気持ちが悪くてしょうがありませんから、あなた様の云う通りにいたします。なんでも訊いてくださいませ」



「では、お前は前世では仕事は何をしていたのだ?」



「私、百姓でございました」



「百姓か」



「さようでございます」



「では、お前がとり憑いている、この深山麗華は何をしていたのだ?」



「これは、この方はでございますねー大変高貴なねー、お武家様の奥方様でございました」



「侍の奥方だったのか?」



「ささ、さようでございます」



「なんで、お前のような百姓が侍の奥方に憑いているのだ?」



「なんでとり憑いていると云えばですねー私、私ら百姓はでございますねー、本来はこんな奥方様にとり憑くことなんかできないんですよ」



「それは、そうだろう。お前のような百姓が奥方にとり憑くなんか飛んでもないことだ」



「ささ、さようで、、、」



「では、なんでそんな飛んでもないことになっているのだ?」



「イイエ、でですから、話せば長いんですけど・・・」



「では、話してみるがいい。どんなことなのだ?ところで、お前はこの奥方の顔は視たのか?」



「顔でございますか?イヤ、顔はもう、チラッチラッと遠くから視る感じでございます」



「顔は遠くから視ていたのか?」



「そうそう、さようでございます」



「ベッピンさんだったのか?」



「イヤもうベッピンさんちゅうより、こんなもう綺麗な方はおりませんよ私。私なんかの村ではもうホント土まみれ、垢まみれでもうホントもう真暗な顔をした女ばっかりでございますから。だからこんな綺麗な方を視た時は、私もうビックリしましたよ。ウワー!こんな方が人間界にも居るんだな~と思って、それでもう一目ぼれしてしまった感じでございます」



「そうか、そんなに綺麗だったのか。では、お前が出会った経緯を話してみるがいい。先に顔立ちを云ってみるがいい。どんな顔立ちをしていたのだ?」



「顔立ちでございますか?顔立ちはですねー、わりとこうほっそりしていましたねー」



「顔はほっそりしていたのか?」



「さようでございます。顔はわりとほっそりして、なんか目がなんかこうキラキラキラキラ光って、あのう感じが凄い綺麗な方でございます」



「では、顔立ちはほっそりしていたと云うことか?」



「さ、さようでございますさようでございます」



「では、顔は丸顔ではなくほっそりしていたと云うことだな」



「さようでございます」



「では、ちょっと待っておれ」



「分かりました」



初めて、幽霊と人間との、一人二役の会話を緊張しながらお聞きしているであろう、京のご婦人にご自分の前世の顔について今話していたことにご異存はないのかお聞きしてみる。



>深山さん、今あなたの前世の顔立ちについ話をしていましたが、お聞きしていて如何でしょうか<



<・・・はい、ほっそりの面長です>



>では、合っていると云うことですね<



<・・・はい>



今回のように前世と今生の顔が合っていればいいのだが、前世と今生では多少違う人も中にはいる。



「では、お前はなんでこの奥方にとり憑くよなことになったのだ?その辺のところから話すがいい」



「分かりました分かりました。なんでもかんでも話しますからどうか、どうかとり憑かないでくださいませ」



「分かった。お前が全て正直に話せばとり憑くことはしない。喋るがいい」



「私が初めてこの奥方のお姿を拝見したのはでございますねー、この奥方が、私なんかの村を通る街道があるんですよ。その街道で休まれていたときに、私百姓でございますから、畑仕事をしているときに駕籠が通ったもんでございますから、まぁ駕籠が通るとか言ってもですね、もういっつも色んな駕籠が通っていますから、別に珍しくもないんですけど、その時はこう暑かったもんでございますから、もうずーーーっと草をむしったりしていると背中が痛くて痛くて堪らず、背中をグーーッと伸ばしていたら、その駕籠が止まってですねー、街道の大きな木の陰の下で、要するに、その駕籠からこの奥方が出て来たんですよ。その時びっくりして、ウワーッ!綺麗な奥方やな~と、あんまり視たら殺されますから、ウワーッ綺麗な方だな~と思って、頭を下げたんですよ。私は顔は視ないつもりで下げたんですけど、向こうのお侍様からしたら、私が頭を下げたのが何かあるのかな~と勘違いされ、そのお侍様から呼ばれたんですよ。百姓ー、お前、ちょっと来いー!!と。だけど私、ビックリして、イエイエイエと首を振ってもう、イエイエイエと云うそんな感じでございます。だけど声は多分届かないですよイエイエと云っても。そしたら百姓ーと。お侍様が、私に、コイーちゅうのが分からんのかー!!と大きな声で云われたもんですからビックリして、もう頭を下げておずおずと、やっとと云う感じで傍に近づいたら、百姓ー!!この奥方がのうーお水が欲しいと云っているから水を汲んで来い!どこかその辺に川があるだろうと云われたもんでございますから、ああ、ありますあります。分かりました。と云うと、今からワシが竹筒を切るからそれを持って取り逝ってこい!と云われ、私、その竹筒を持ってでございますね、その木のズーーゥと奥に入ると川があるんですよ。そこにはもう天然の清水が流れていて、もう大変おいしい水でございます。私たち百姓とか、あのう旅の皆さん方が、そこの川に逝ってやっぱー水を汲んで飲むんですよ。ですから、そこで駕籠に乗られているお姫様なんかが、そこで休憩されて水を汲みに行く訳でございます。だけど、大体私たち百姓が呼ばれて行くのですけど」



「そうか、ではお前もそこ水を汲みに逝ったのか?」



「そうそう、さようでございますさようでございます」



「それで、どうなったのだ?」



「そして、それが水を汲んでですねー、もう私なんかお侍様から呼ばれらら、なんかあったら殺されるちゅうのはもう分かっていますから、足がガクガクガクガクして、水を入れても、竹筒に入っている水がもうこぼれるんですよ、手がガクガクガクガクし震えて、もう身体中震えながらもう、やっと両手で持って、竹筒をお姫様のところに、こう持って差し出そうとしたら、もう興奮しているもんでございますから手がガタガタガタガ

タ震えて、竹の中の水がポチャーっとお姫様のところに逝ったんですよ。そしたらお侍様から、コラー!!貴様ー!!と怒られたもんで、ウワーーーー!!!っとチジミ上がって地面に伏せたんですよ。そしたら奥方様が、あなたそんなことはしなくてもいい!そんなことで怒らなくてもいい!私には何もかかっていない。怒らなくてもいい!と。ですから私、アッ奥方様ありがとうございますーありがとうございますーーーと云って頭を下げ、そしたら向こうにイケーとお侍様に云われ、ワー助かったーと思って、クルッと廻って行こうと思ったら、今度はビックリして腰が抜けて、私アウアウウウウウウとなった時に、私の唾が奥方様のところに飛んだ。だけどかかってはいなかったんですよ唾は。だけどそうしたらお侍様が、無礼者ー!!と云って、私ハハーッと云って頭を地面に擦りつけるようにして下げたのですが、それでも一刀の元で斬られてしまったんでございます・・・もうクワーーー!グワーと私苦しがっているときに、奥方様がお侍様に、何ということをするのよーーー!!と真剣に怒って怒られて、お侍様は奥方様に、申し訳ございません。イヤこやつが唾を掛けたもんでございますから、と云ったが、バカたれー!と奥方様は大変怒られ、私その言葉を訊いたままこっちに来たもんでございますから、でですから私、死んでも死んでも死んでも死にきれんどころではございますが、もうずーっとあの、ずーーっと奥方の事が頭に残っておりまして、そ、そしてここに来たら、とり憑いていも良いと云う事を知って、私この奥方にとり憑いたのでございます」



「しかし、奥方はお前が死にかかっているときに情けをかけたと云うことだろう?」



「そうそう、さようでございますさようでございます。私のために若侍を頭からグワーっと怒っていただきましたお蔭で、私嬉しくて嬉しくてとり憑いてしまったのです」



「しかし、お前たちの世界はなんでもかんでもとり憑くことができるからなー」



「さ、さようでございます」



「では、お前はとり憑いてこの奥方を助けているのか?」



「助けるなんか、そんなことはできません。私こんな綺麗な方が、私もう生まれてこんな綺麗な方の傍に居れるのが嬉しくて嬉しくて堪りませんから」



「では、とり憑いて嬉しいからと云って、お前は何をしているのだ?」



「イヤ、とり憑いて嬉しいもんでございますから、私この方を・・・私こっちに来て死んでおります。しかし、私この方にとり憑いて、人間界を視ると人間界の身体がもうサーイコウー!もうこんな、こんなもう身体があるのか?と。私なんかの百姓の女なんかと云ったらもうみすぼらしいし、もう土臭いし顔は真っ黒、身体も真っ黒で、汚れた女をもう私ら生きている頃、そんな女ばっかししか抱く相手はいなかったもんでございますから、ですから死んでこっちに来て、そして人間界を視る(奥方の魂と通して)ともう、こんーな綺麗な、私なんかから視たらもうホントに天国ともう地獄ちゅうぐらいに全く違う。もう、こんな女だったら私もう、こりゃもう私の女房にしよう!ワシの女房にしようと思ってですねー、私の女房のようなつもりでとり憑いているんですよ」



「お前、それは飛んでもないことだぞ!お前は情けをかけてくれた人にとり憑き、自分の女房だとまで思っているのか?」



「さ、さようで、イヤイヤ悪いとは思いますけど、だけどもう私、こっちに来て死んでおりますから。こっち

に来たらもう何でも自由なんですよ」



「それは、分かっている。自由になんでもできると云うのは。それにお前は奥方にとり憑いてどんなことをしているのだ?ところで、普段はお前は人間界をずーっと視ているのだろう」



「視ております視ております」



「では、性格などは分かるのか?」



「性格はこっちから視たら全部分かります」



「では、どんな性格なのだ?この奥方は」



「ま、どんな感じと云うより、なんかものすごくこうテキパキしておりますねーなんでもかんでもテキパキテキパキしてね、こうあれしてこれして、と云う感じで、なんか物凄くシャカシャカしてる感じですねー、やっ

ぱーあのう感じが良い!それにみんなから好かれるようですね、これ・・・・



次回続く

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