作者は 様々な経歴を経て後
37歳で京大医学部を卒業し 現在もドクターであり
そしてその経験を生かして 「研修医純情物語 先生と呼ばないで」で
デビュー。これは その続編である。

これまでも現役医師の小説を読んだことがあるが
患者や病気のことばかりで 小説として面白いと思った物は少ないが
これは ストーリー構成もちゃんと考えられていて 楽しく読め
読んだ後もさわやかな気分になれた。

新米のドクター・藤山真吾が病院の同じフロアで出会った「あの人」のことや
主人公との関わりが描かれている。

「あの人」は 中年ドクターで 「窓際ドクター」と陰口されている。
自分の手のあいている時間は デイルームと呼ばれる 患者が面会者と会ったり
くつろいだりするスペースにいることが多い。
そして患者の良き話し相手になってくれている。

そんな彼のやることは
他の医師や看護士にも受けが悪いようだ。
だが 真吾はなぜか惹かれるものを感じて
次第に打ち解けていく。。。

患者にとって理想的に思える 「あの人」ではあっても
現実には やはり そういう医師ばかりだと
病院は成り立たないだろうと思う。
でも こういう ほっと生き抜きできる空間 ドクターがいるというのは
うらやましいなあとも思う。

なかなか楽しめたので 同じシリーズの作品を読んでみようと思う。