久々に大長編小説を読んだ。
第Ⅰ部 事件
第Ⅱ部 決意
第Ⅲ部 法廷  分厚い3冊 一気に読み終えた。

さすが 宮部みゆき ストリーテラーだ。
たいくつなどする間もなく 一気に物語に引き込まれていった。

中学2年生の12月雪の降る晩
一人の少年が中学の屋上から飛び降りた。
そして 自殺だった。

だが目撃したという告発書が3通関係者に送られてくる。
犯人と名指しされたのは 金持ちの息子で札付き不良であった。

テレビ番組での取り上げられ
そこで 同じクラスだった少女が立ち上がる。
私達の手で裁判をしよう。。。
それに賛同したクラスメイト達が夏休みに終結する。
大人たちも巻き込んで~

主人公の少女 藤野涼子は 聡明で正義感が強い。
彼女は真実を知る為に立ち上がったので
弁護側に立つはずなのに なぜか 検事をするはめになる。

作者は
子供達の手による模擬裁判を描きたかったのだと思う。
そして 私もまるでドラマかなんかを見ているように
彼らの行動に臨場感を覚えたのだが
だが いくら悪だとは言え 生徒の一人を被告席に座らせるのは
どうなんだろう~ いくら模擬裁判とはいえ
現実に彼が疑われているのは事実だし~
弁護したかった涼子が まるで本物の検事のように
冷酷に事実をつきつけていく様子は
なんだかなあ~と思ってしまうのは
私が大人だからなのだろうか?

自殺 いじめ 放火 偽証 いわれなき怨み など
現代の抱える諸問題を まだバブルがはじける前の時代を背景に描かれていく。

主人公だけでなく
すべての登場人物のキャラクターが 生き生きと描かれていて
ある少年が 雪の中でクラスメイトの変わり果てた姿を見つけたシーンが
ありありと想像されて こわがっている中年の私である。

すごい作品だなあと思った。



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私が読んだハードカバー本の最後には
一人の登場人物のその後が描かれていたのだが
文庫本の方には もう一つ別の その後の話が追加されていると聞き
その部分だけ 読むことにした。
これは 藤野涼子のその後で
これもまた 中学生と教師の間である事件が起こり
彼女も関わっていく。

この話は これでおしまい~ではなくて
それぞれのキャラクターの その後が続いていきそうな予感が。。。。。