ミステリーのアンソロジーは よく目にするが
それは アンソロジーとして作品依頼されていることも多く
軽い感じで 練りに練った作品というのは あまり読んだことがないのだけれど。

この作品集は過去の有名なミステリー作家の作品の中から
古書を題材にしたものばかり集めたようで 読み応えのある作品も多い。

口絵 (ホントに絵だけ)  江戸川乱歩
二冊の同じ本        松本清張
怪奇製造人         城 昌幸
焦げた聖書         甲賀三郎
はんにん           戸板康二
献本              石沢栄太郎
水無月十三么九      梶山季之
神かくし            出久根達郎
終夜図書館         早見裕司
著名本が死につながる  都筑道夫
若い砂漠           野呂邦暢
展覧会の客         紀田順一郎
倉の中の実験        仁木悦子

この中で 印象に残っているのは…

「二冊の同じ本」 松本清張  同じ古本が二冊あり それぞれに書き込む場所と内容が違っている~
                   その謎を しつこいまでに追求していくというストーリー。

                   今なら たいていの事柄 人は ネットで検索できるかも。
                   
「はんにん」   戸板康二   主人公・田島の勤める新聞社へ
                   貸本の推理小説のある名前のところに「はんにん」と落書きされていたので
                    読む気がしなかった~と憤慨する投書があり・・・
                    落ちが楽しい。

日本のミステリーの歴史は そう古くはないので
ここに登場する作家さんも 皆 昭和の後半まで生きていた人達なのだが
この何十年かの間にも どんどん暮らしぶりも変化してきているので
今では消えてしまったような 言い方も多く
それでも私には理解できて懐かしいものもあり~ 古い雰囲気を楽しむことができた。