生姜は何世紀にも渡って、世界中で天然の治療薬として使われてきました。
そしてその抗吐き気効果に関しても、長年数多くの研究が行なわれてきました。
けれど、「昨日までの常識が、今日から非常識」ということは、どの世界でもあることです。ですから、改めて最近の研究報告を少し見てみました。
Ginger by RobotSkirts
(Haji Seid Javadら2013年)
妊娠中の吐き気や嘔吐に対する
生姜とビタミンB6の効果
つわりによる吐き気を訴える女性を2つのグループに分けて、それぞれビタミンB6と生姜を毎日与え、その吐き気の度合いを評価しました。
・ビタミンB6を1日2回、40 mg
・生姜を1日4回、250 mg
結果
・ビタミンB6 治療前:9.35±1.97 → 治療4日目:5.98±1.45
・生姜 治療前:9.80±2.03 → 治療4日目:6.28±1.63
それぞれ大幅な症状の軽減に繋がった。
両者の間で吐き気の頻度や期間の軽減効果に、有意な差はなかった。
また、副作用はいずれも全く見られなかった。
(Dingら2013年)
妊婦に対する生姜の安全性と有効性
に対する系統的レビュー
CINAHL, the Cochrane library, MEDLINE and TRIPに掲載されていた妊娠中の生姜に関するランダム化比較試験を、CASPツールを使用して評価しました。
結果
選択基準を満たした4件の試験すべてで、生姜は経口投与され、プラセボ群と比べて吐き気や嘔吐の頻度とひどさが有意に軽減していた。
副作用に関しても、まれに軽度でみられる程度だった。
結論
生姜はつわりのための安全で効果的な治療法である。
ただし、安全な投与量の上限や適切な期間、および潜在的な薬とハーブの相互作用の結果は、さらなる研究が必要とされる。
今回は2つだけを取り上げてみましたが、やはり最近の研究でも概して
「吐き気の軽減に有効である」
とされていました。
ただし、以前よりデニス女史なども指摘している通り、
1日1gまで、貧血や高血圧の薬を飲んでいる人は控える、といった安全面に注意しましょう。
尚、市販の生姜製品というと、
・ジンジャーエール(本物の生姜入りのもののみ)
・ジンジャーティー
・生姜湯
・ジンジャーアロマ
・生姜キャンディー