古畑任三郎のエンディングは、洒落ているを超えています。
例えば、中森明菜が犯人の漫画家役の回・死者からの伝言では、
最後にこんな言葉で締めくくっています。
『まだまだじゃないですか。第一巻目が終わったところですよ。ハッピーエンドは、最後の最後にとっておけばいいんです。あなたは、いい奥さんになれます。保証します』
この言葉は、中森明菜だけでなく見ている人の心に染み渡ります。
刑事コロンボで、印象に残るエンディングは、『別れのワイン』
犯人はワイン作りに生涯をかけるワイン製造会社の経営者。
動かぬ証拠を示して犯人を逮捕したその後に、あえてワイン工場の前に車をまわして、刑事と犯人が二人きりの空間で、ひと時の間、心を通わせて乾杯をするシーンは至玉の終わり方です。
信念の女警部・ヴェラでは、
一度は嫌疑をかけられた子供をもつ移民の女性に、荒涼とした海岸風景の中で、助けになるであろう弁護士を紹介して励ますエンディングが記憶に残りました。
『優しい人がいい』という言葉をよく聞きますが、オジサンがあえて言うならば、
普段優しい人よりも、いざという時に、不器用・不細工でも人情がある人です。
忠臣蔵は刃傷松の廊下 『浅野殿、刃傷にござる』
ミステリードラマは、推理・筋書もさることながら『人情でござる』