.....前編からの続き、
津本要さん、東北の地を思う
東北新幹線開通の頃に訪れた盛岡の道場における素朴で無口で温厚な格闘家がくりだす壮絶な技の衝撃、十数年後に講演に行った宮古における静かで穏やかな人々の暮らしぶりを淡々と紹介し、そのうち盛岡から宮古へ出かけてみようと思っていると結んでいる。
内館牧子さん、岩手山よありがとう
私は「元気をもらう」という言葉を好まない。「勇気をもらう」とか「夢をありがとう」「感動をありがとう」の類もである。
といった書き出しで、盛岡で突然病に倒れ、入院を続け中、ある日ふとしたことから病室の窓から見た岩手山の大きさ、美しさ、雄々しさから、
私はこの時、間違いなく岩手山に元気をもらったのだ、感動をもらったのだ、と、その後のリハビリに積極的に取り組むきっかけとなったことを語り、こう結んでいる。
私は今でも東北新幹線の切符を買う時、「岩手山が見える側、空いてますか?」とまず聞く。「元気をありがとう!」と、好きではない言葉を語りかけるためだ。
トランヴェールの読み進む内にいつしかその内容に引き込まれ気が付けば目的地に着いているのでした。