一人で勝手に思っているだけなのですが、人生の先輩・師と仰ぐ方が何人かいまして、その一人が VANの創始者である石津謙介氏であります。

 

齢90を超え2005年に亡くなられるまで若々しい心を持ち続けた、氏の言葉を借りるならば Young at Heart な方でありました。

 

地震で本が上から落ちてきてはいけないというので先日書棚を整理していましたら、
石津謙介氏の言葉を書き残した、男たちへの遺言という本がでてきました。

 

あらためてページをめくってみますと、素晴らしい言葉にあらためて感心いたしました。

 

 

その中で良いホテルとはというタイトルでこんなことが書かれています。

 

どんなホテルでも絶対に必要とされることがある。それは、気持ちの良いサービスだ。うるさくつきまとわれることなく、必要な時に適切なサービスが提供されるという安心感がなければ、ホテルとしては失格である。
チェックインしたときのフロント係は、笑顔で迎えてくれただろうか? ・・中略・・朝出かけるときには、廊下ですれ違うルームメイドが、気持ちよく挨拶してくれただろうか?
何より、「お客様のお役に立たせてください」というメッセージが、スタッフ全員の表情に表れているどうか、これが大事だ。
・・中略・・
設備は文句なしのホテルでも、「俺は一流ホテルのホテルマンなんだぞ、サービスしてやるから有り難く思え」という態度のスタッフばかりのところが少なくない。設備は一流でも、スタッフは三流以下というホテルである。
これからはもう、ホテルの設備に感心して「泊まらせていただく」のは止めにしよう。われわれは、気持ちよくなるために、ホテルに泊まるのだから。
 
最後にこんな言葉で結んでいます。

 

ホテルの良し悪しはサービスである。設備の豪華さに惑わされることのなきよう