私たち人類の前に地球上を我が物顔に闊歩していた恐竜を、私はいま尊敬している。なぜか。
たしかに彼らは滅亡した。しかし。
恐竜亡き後に地球上を我が物顔に闊歩している私たち人類に彼らは負の遺産を残さなかった。
滅亡したのだから、恐竜は決して利口ではなかったかもしれない。知能は私たち人類より低かったかもしれない。しかし、どうだ。
彼らは私たち人類に決して迷惑をかけるものを残さなかった。
私たち人類に、後始末できないものを残すことはなかった。
自分の尻は自分でふいたのだ。決してあとのものにツケを残さなかった。
しかるに、いま、私たちは何をしているのだろうか。
自分さえよければよいと、いまさえよければよいと、10万年も管理しなければならない毒物(放射性廃棄物)を、自分たちで後始末できない毒物(放射性廃棄物)を、未来にたくさん残そうとしている。未来にツケを残そうとしている。いや、未来にツケを残すのは当然だと思っている。
たしかに恐竜より私たちは利口かもしれない、知能が高いかもしれない、しかし。やっていることはどうだ。
未来に対する責任・他の生命に対する責任を、いったい私たちはどうとろうとしているのだろうか、そしてどうとれるのだろうか。