二人の男の会話
A「自分の実力に見合った山を歩く。これほど難しいことはないんだ。」
B「なぜだい。」
A「だって、自分の山歩きの実力って計ることができるかい、100m走みたくストップウォッチでタイムを計るわけにはいかないし。そもそも山歩きの実力を計るモノサシってあるのかな。だれが計り、だれが判定するんだろう。」
B「そんなこと知らないよ。それよりも山歩きに、実力を計るモノサシってはたして必要なのかしらん。」
A「必要だと思うよ。」
B「まぁ、自分の実力を正確に知れば、山歩きはもっと楽しめるだろうからね。過大評価も過小評価もどちらもよくはないし。」
A「だろう。だけど、それができないのであればどうしたらいいと思う。」
B「山歩きをするな、なんてことはなしだぜ。」
A「わかってるよ。君に山歩きをやめろって云ってもきかないだろうからな。」
B「そのとおりだよ。」
A「だとすると、慎重すぎるほど慎重に山歩きをするんだな。とくに君は一人歩きと静かな山が好きだからね。」
B「俺かい。俺はいつも慎重だよ。」
A「そうかも知れない。でもその前に体力をつけろよ。ほかのスポーツでトレーニングもしないで試合にでる奴なんていないぜ。」
B「大きなお世話だよ。」