高橋由美子『Paradise』
1. アチチッチ
（作詞：秋元康 作曲：本島一弥 編曲：岩本正樹）
2. 夏はどうでも
（作詞・作曲・編曲：穂口雄右）
3. ta me i ki
（作詞：山本秀行 作曲：あみ啓三 編曲：岩本正樹）
4. 太陽のバレリーナ
（作詞：秋元康 作曲：後藤次利 編曲：大谷和夫）
5. コートダジュールで逢いましょう
（作詞：秋元康 作曲：亀井登志夫 編曲：大谷和夫）
6. 平気でいて
（作詞：及川眠子 作曲：伊藤薫 編曲：岩本正樹）
7. 満月
（作詞：山本秀行 作曲：本島一弥 編曲：岩本正樹）
8. ランナー
（作詞：秋元康 作曲・編曲：見岳章）
9. ディア・ミセス・フレンド
（作詞：売野雅勇 作曲：筒美京平 編曲：岸村正実）
10. 思い出の銀の矢たち
（作詞：秋元康 作曲：穂口雄右 編曲：岩本正樹）
●1992年リリース、高橋由美子4作目のオリジナルアルバム『Paradise』。
3枚目の前作『Dream』 からの続投で穂口雄右氏、筒美氏も提供。
筒美氏のTr.9はほぼ打ち込みアレンジではありますが、生楽器で演奏するとしたらビッグバンドアレンジのミュージカル風の楽曲になっていたのではという、スウィンギンな佳曲です。
という意味では、その他の曲もロッキン歌謡なTr.4、プロヴァンスの香りムンムンのTr.5などなどそれぞれジャンルの幅が極端に違うのに、
打ち込みに置き換えることでアルバムの統一感を。
と、前向きに捉えるならばこうなります。
90年代らしい音とも捉えられるかと思いますが、
CDなどの音楽ソフトをはじめとした音楽業界全体の売り上げがピークに到達することになる90年代、
圧倒的な量産体制に突入したのに付随して制作環境も革新が進み、そのキーとなったのが楽曲の打ち込み制作、今でいうDTMの躍進。
レコーディング期間も予算も潤沢に必要になる生楽器での楽曲制作が減少し、
出だしのアイドル、ベテラン問わず、打ち込みを主体に制作された楽曲の数が一気に増加した様な印象です。
あえて打ち込みアレンジにしている事例ならまだしも、多分そうじゃない事例も多いと思うのですが、いかがでしょう。
90年代の悪しき慣習。
そう、全ては私個人の推測。
そして、本稿のアルバムが駄作だという話ではありません。
各アルバムを渡って聞いていくと、筒美氏よりもむしろ穂口氏との方が親和性が高い気がします。
良曲が多い。
