愛シイコトバ/梅太郎
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「愛シイコトバ」 梅太郎 Dear+コミックス


え~。タイトル・「愛シイコトバ」で「かなしいことば」と読みまする。

さて。大変良い作品でした。


★母を亡くし独りの「京介」は、転校先で声を失った「要」と出会う。

話せないけれど、身振りと表情で豊かな感情表現をする「要」に「京介」は「カナ」とアダナを付けて急速に親しくなる。

だが、「要」に対して高圧的に振る舞い執着するイトコ「哲」が、「要」との身体の関係をほのめかし挑発してくる。


ええとね。「切な系純愛」の決定版とありますように、たしかに切なく、きゅーーーん★ときますですねえ。

作者「梅太郎」が世界が恋愛でいっぱいになって何も見えなくなる感じの10代の恋愛がすき。

とゆっておりますが。

うん。たしかに恋愛でいっぱいでした。

話自体はそうねえ・・・山口百恵・・知らねえか。お若いお嬢さんは(苦笑)

いや、いいんだ。

あの「赤いシリーズ」っぽい話でありまして。

声を失った「カナ」は、慕っていた父親に性的虐待を受けてたんだがの、父親の哀願で声を出すのを自分でやめたわけ。

「カナ」の声は、母親にそっくりだったんだね。

その父親は自分の元から逃げた母親の代わりを「カナ」に強いていたんだね。

で、自殺。

ま、そんな複雑な家庭環境のせいで、「カナ」は子供の頃から「哲」の家で暮らしていて、まあなんちゅうか厄介者扱いなワケよ。

「京介」は「京介」で、愛人の子という立場でふたりとも孤独な状況ではあるんだよね。

でねえ・・・もうねえ「カナ」が非常に可愛いんだよ!!

声が出ないという設定だから、「カナ」のモノローグはないわけよ。

意識して表情に変化付けてるのかなあ?もうさあ。一生懸命に口をぱくぱくとして意思を伝えようとする「カナ」がさあ・・・いじらしい!!


でさ、父親に虐待されている時自分の手首を噛んで声を殺すようにしていたせいで、「京介」に抱かれる時もおなじようにして声を殺すんだけど、そんな「カナ」の手首の噛み痕見てさ、「京介」が「オレを噛め」というんだけどさあ!

「カナ」はフルフルと首を振り、なんと!自分の服を噛んで声を殺すのよおおおおお!

なんていじらしいのおおおおおお!(///∇//)

こんな可愛くてエロくていじらしい濡れ場ってハジメテかもーーーーーー!!

ほんとに可愛いんだよなあ・・・うっとり・・・。

まあ、「哲」や、「哲の父親・つまりカナの叔父さん」の「カナ」に対する複雑な感情というのを隠し味にして、ふたりの純愛を切々と描いておるわけであります。

う~ん。

「沈黙は金」

しっとりとしたまことに良い作品でございましたね。